[2016_09_13_01]韓国全土を揺るがせた「地震の恐怖」…月城原発は稼動中断(ハンギョレ新聞2016年9月13日)
 
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韓国全土を揺るがせた「地震の恐怖」…月城原発は稼動中断

 原発密集地の慶州で史上最大規模5.8の地震 月城原発27キロ・古里原発50キロの距離 済州からソウルまで揺れを感知 驚いた市民ら、マンションから飛び出す ガラス窓割れ、携帯電話一時不通
図:慶州で規模5.8の地震発生
図:地震発生位置

 12日、慶尚北道慶州(キョンジュ)の近くで気象庁観測以来最大規模のM5.8の地震が発生した。ソウルをはじめ大田(テジョン)、江原道の山間地域、済州(チェジュ)など韓国全土で揺れが感知された。慶州周辺は世界最大の原子力発電所密集地域であるため、住民の不安は一層大きい。韓国水力原子力は同日夜12時頃、マニュアルに従い慶州に近い月城(ウォルソン)原発1〜4号機を手動停止したと明らかにした。しかし、新月城1〜2号機は月城1〜4号機と敷地の特性が異なるため、手動停止せず正常稼動中だ。
 気象庁は12日「午後7時44分に規模5.1の地震が慶尚北道慶州市の南南西9キロの地点で発生したのに続き、午後8時32分に最初の震源から北西に1キロ離れた場所で再び規模5.8の地震が発生した」と発表した。規模5.8の地震は、1978年から気象庁で公式に地震観測を開始して以来、最も大きな地震だ。1978年の俗離山(ソクリサン)地震(5.2)と洪城(ホンソン)地震(5.0)が韓国の陸上で起きたそれぞれ2番目、3番目に大きな地震であり、五臺山(オデサン)地震(2007年・規模4.8)、寧越(ヨンウォル)地震(1996年・規模4.5)が後に続く。
 今回の地震の震源地とされている慶州市内南(ネナム)面鳧池(ブジ)里は月城原発から27キロ、古里(コリ)原発から50キロの距離だ。最初の震源と2度目の震源の距離は直線でわずか1.4キロ、震源の深さは15キロと把握された。最も強い地震の前後に夜12時現在、91回の余震が発生した。
 この日、慶州では住民がマンションの外に大勢飛び出し、携帯電話が不通となるなど混乱が続いた。この日の地震で東西発電所属の蔚山(ウルサン)LNG複合火力4号機の稼動が自動停止し、5時間後に再稼動した。慶州市皇城(ファンソン)洞のあるマンションでは貯水タンクが破損し、城東(ソンドン)洞のマンション団地などで商店街の建物の瓦が落ち、屋根や窓ガラスが破損されるなどの被害届けが相次いで寄せられた。釜山(プサン)地下鉄は1回目の地震時に5分、2回目の地震時には2分間、運転が中断された。全国的に通信量が増え、カカオトークのメッセンジャーも一時不通になった。
 慶州、釜山、蔚山など震源地から近い大都市住民は、7月に発生した蔚山沖地震(規模5.0)に比べ、今回の振動が1〜2秒ほど長く感じたと言い、不安に震えた。イさん(38・釜山市金井(クムジョン)区長箭(チャンジョン)洞)は「5階建ての家に住んでいるが、家が揺れるのを感じて子どもを抱いてあわてて家の外へ出ようとした。7月に感じた揺れとそっくりに感じられてびっくりした」と話した。自営業のナムさん(39・釜山市南(ナム)区大淵(デヨン)洞)も「マンションの38階に住んでいるが、頭の中が真っ白になり、子ども3人を抱きかかえて床にじっと伏せていた」と話した。中央災難安全対策本部はこの日夜9時30分現在、地震の振動を感じたなどの119通報が3万7267件寄せられ、負傷者2人が発生したと明らかにした。一部の建物の軽い亀裂やテレビが倒れたなど34件が報告されたが、追加確認が必要な状況だと対策本部は付け加えた。
 気象庁はこの日のブリーフィングで「現在としては地震による津波の可能性は少なく、正確に予測するのは難しいが、さらに大きな規模の地震が発生する可能性は少ない」と述べた。今年に入り原発の密集地帯付近の地震は、7月5日夜の蔚山東方海域52キロの地点で起きた地震に次いで2度目だ。
イ・グンヨン先任記者、釜山/キム・ヨンドン、ウォン・ナクヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

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