[2015_09_04_01]再処理工場機器故障 「的確な原因究明を」 田中規制委員、原燃に要求 (東奥日報2015年9月4日)
 
 原子力規制委員会は3日、六ヶ所村の日本原燃再処理工場で重大事故対策の有効性などを確認する現地調査を行った。落雷とみられる影響で2日夜に29機器が相次いで故障した問題についても工場内を調べ、田中知委員は「的確な原因究明をしてほしい」と原燃に求めた。
 調査には田中委員ら規制委メンバー21人が参加。一行は、事故時に対策要員約200人が詰めて対応拠点となる緊急時対策所を確認。高レベルの放射性廃液の冷却ができなくなった場合に備えた注水作業や、外部電源を失った際に使う電源車を点検したほか、機器故障問題で落雷した場所とみられる工場敷地内の主排気筒なども調べた。
 調査終了後、取材に応じた田中委員は機器故障問題について「自然現象はさまざまなことが起きる。予期せぬ事態にどう対応するか、そこに敏感性を持つことが大事だ」と指摘した。
 再処理工場は審査終了のめどが立たず、原燃が予定する2016年3月の工場完成は厳しさを増している。田中委員は「今後の審査状況を規制委から言うことはない。われわれはしっかりと厳格に適合性審査をしていく」と述べるにとどめた。
 原燃の越智英治・再処理事業部副事業部長は、機器故障を「安全上、非常に重い事態と受け止めている。9月末をめどに原因究明の報告をまとめたい」と語った。(阿部泰起)
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