[2015_07_18_01]出戸西方断層 「長さ」審議が決着 原燃、11キロに評価見直し(東奥日報2015年7月18日)
 
 日本原燃は17日、六ヶ所再処理工場に近い活断層「出戸西方断層」の長さについて、約10キロとしていたこれまでの評価を変え、約11キロと見なすことを決めた。同日の原子力規制委員会の審査会合で、規制委側の指摘を受けて見直した。同断層の長さをめぐる審議は、1年4カ月を経てようやく終結した。
 六ヶ所村内を南北に走る出戸西方断層は、原燃の敷地中央から最短で約4キロ北東にあり、地震が起きた場合、工場の揺れに大きく影響するとみられている。地震動評価の要素となる断層の位置や長さが定まったことで、審査の焦点は今後、具体的な揺れの大きさに移る。
 規制委側は昨年3月の審査会合で、出戸西方断層南端のデータが不足していると指摘。これを受け原燃は、大規模な試掘溝(トレンチ)を新たに掘るなどして追加調査を行った。昨年12月には規制委の審査担当者が現地を訪れ、断層の状況を確認した。
 原燃は調査結果から、南端を約300メートル南へ移したが、北端は変更しなかった。17日の審査会合では、原子力規制庁の担当者が「北端を定める根拠が少し弱い」などとコメント。原燃はその場で北端を約1キロ北へ延ばすことを決めた。会合の締めくくりに規制委の石渡明委員は「おおむね十分な回答を得られた」と評価した。
 断層の長さ確定まで長い期間を費やしたことについて、原燃の高橋一憲・耐震技術課長は会合後の取材に「審査会合での指摘に十分答えられるよう調査した結果」と語った。(古川靖隆)
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