[2014_04_18_03]九電、予備率3%確保 今夏の電力需給(佐賀新聞2014年4月18日)
 

九電、予備率3%確保 今夏の電力需給

 九州電力は17日、今夏の電力需給について、安定供給に必要な予備率3%を確保する見通しだと発表した。玄海原発東松浦郡玄海町、川内原発薩摩川内市が再稼働しないことが前提。加えて受電している電源開発Jパワーの火力発電所が事故で長期間運転できない可能性が高く、周波数の違う東京電力からも融通を受けるなどして供給力を確保する。原発に頼らず3度目の夏を乗り切る計画だ。
 同日、茂木敏充経産相に見通しを報告した。九電が38万キロワットを受電している電源開発松浦火力発電所2号機長崎県、100万キロワットが運転再開できない場合、昨夏並みの猛暑で最大需要は1671万キロワット、供給力は約1722万キロワット。予備率は7、8月ともに3・0%で、安定供給に必要な3%を最低水準で確保する見通し。
 昨夏の計画段階で90万キロワットだった他電力からの融通を149万キロワットに増やす。中部83万キロワット、北陸6万キロワット、中国40万キロワットに加え、東電から20万キロワットを調達。東日本からの融通は初めて計画に盛り込んだ。揚水発電の供給力も昨夏から55万キロワット上積みし、221万キロワットとする。需要が高まる7月後半〜8月は火力発電所の補修を実施しない。
 需要面では、利用者アンケートから、昨夏の節電効果の約9割に当たる161万キロワットを節電定着分として織り込んだ。自家発電の稼働増などに協力してもらう夏季計画調整契約なども昨夏に引き続き行う。
 川内原発1、2号機が夏までに再稼働した場合について、九電の山崎尚電力輸送本部長は「他電力からの融通をゼロにし、川内2基で178万キロワットを加えると予備率は3%から5%に上がるが、まだ安定供給には至らない」と説明した。
 需給見通しは、経産省の電力需給検証小委員会が妥当かどうか判断する。山崎本部長は「さらにトラブルが起こると需給は相当厳しくなる。トラブルがないよう、最大限の努力をする」と話した。
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