[2013_07_24_01]福島第1原発:汚染水流出 「流出量かなり多い」 専門家ら、地盤構造から推測 /福島(毎日新聞2013年7月24日)
 
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福島第1原発:汚染水流出 「流出量かなり多い」 専門家ら、地盤構造から推測 /福島

 福島第1原発から放射性汚染水が海に漏えいしていたと東京電力が認めた問題で、地下水や岩盤構造の専門家からは「海への流出はかなり多いのでは」との意見が聞かれた。
 東電は22日、同原発タービン建屋東側周辺で工事が進む「遮水層」を報道陣に公開。掘った穴に薬剤を注入して汚染水の海への流出を防ぐのが目的で、東電の技術者は「海の潮位の変化が10だとすると、観測井戸の地下水は3の割合で水位が上下している」と明らかにした。
 東電が地下水から高濃度の放射性物質を確認した観測井戸は2号機タービン建屋の海側にあり、確認された汚染箇所は約100メートル四方の範囲に集中。この一帯は原発建設時の1960年代に埋め立てられたもので、東電は「なぎさに泥岩、砂岩を積み上げてできた土地」と説明する。
 この地盤構造から、北海道大の大賀光太郎・特任助教(環境資源工学)は「人工表土で、海水との干満の変動率が10対3と大きければ、(水の抜けやすさを示す)浸透率はかなり高い」と指摘。海への漏れ出し方として「干潮時に地下水の一部が海に抜け、満潮時に標高の高い内陸の地下水流入と海水の逆流を繰り返しているのでは」と推定する。
 遮水層の工事は8月10日に終わるが、汚染源が特定されなければ別の現場に影響が出る恐れもある。東電の技術者は「専門家に相談し、(地中を掘削する)ボーリング調査での掌握を急ぐ」と述べるにとどまった。【藤原章生】

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