[2013_07_03_02]再処理工場 最大地震 設計に反映 規制委が新基準骨子案(東奥日報2013年7月3日)
 
 原子力規制委員会は2日、12月18日までに施行する核燃料サイクル関連施設の新規制基準の骨子案を公表した。再処理工場については、原発の新基準と同様、想定される最大の地震や津波に耐えられることを設計基準に盛り込み、航空機落下や破壊行為、サイバーテロなどへの備えも要求する。
 骨子案は、再処理工場のほか、MOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料工場やウラン濃縮工場などの燃料加工施設、使用済み核燃料中間貯蔵施設、低レベル放射性廃棄物埋設施設、高レベル廃棄物貯蔵管理施設など施設ごとに分類。2日に開かれた新基準を検討する第12回有識者会合の場で示された。
 ただ、再処理工場と燃料加工施設の骨子案については「中身の議論がまだ続いている」(規制委・更日豊志委員)として、2日の会合では参考資料の扱いにとどまり、議論そのものは9日の次回会合に持ち越しとなった。
 再処理工場の骨子案は設計基準と重大事故対策の二つに分類。設計基準では、地震・津波だけでなく、その他の自然現象についても最も重大な事態を考慮し、テロの発生や化学薬品が漏えいした場合でも安全性を損なわない設計を求める。
 重大事故の定義は「放射性物質、放射線が著しく外部に放出する」こととし、冷却機能喪失や水素爆発、火災爆発、臨界などが、重大事故に至る恐れがある事故と想定した。
 その上で、事故後1週間は外部からの支援がなくても事故対応できるよう予備品や燃料などを備蓄。常設とは異なる冷却、消火設備の配備などを対策として例示した。
 また、重大事故に備え、手順書をあらかじめ準備して訓練を行い、必要な人員の確保を要求。さらに、意図的な航空機落下などのテロに備え、可搬式の事故対策設備は、同時被害を避けるため、再処理工場から100メートル以上離れた場所に置くか、落下にも耐えられる機能を求める。
 中間貯蔵施設の骨子案では、使用済み核燃料を封入する金属キャスクについて、経年変化にも対応でき、キャスクのふたに異常が生じた場合、ふたを追加できる構造とする。施設そのものは、電源を使わず空冷で自然冷却し、崩壊熟(放射性物質の崩壊で生ずる熟)を除去できる設計とした。
  (本紙取材班)
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