[2013_03_07_01]「巨大」「高い」危機感促す 新津波警報スタート(東奥日報2013年3月7日)
 気象庁の新しい津波警報の運用が7日、始まった。マグニチュード(M)8を超える巨大地震の大津波警報と津波警報は、地震後3分をめどに発表する第1報で高さ予想を出さず「巨大」「高い」と表現。非常事態であることを伝え、迅速な避難を呼び掛ける。東日本大震災を教訓に従来の「予測精度重視」から、より危機感を促す方向に転換した。
 新警報は、3メートルを超す津波が予想される大津波警報で「巨大」、1メートル超と見込まれる津波警報で「高い」と表現。「東日本大震災クラスの津波が来襲」「M8を超える巨大地震と推定」といった文言も盛り込む。
 地震後15分以内を目標に出す第2報以降で高さ予想を発表する場合も、「10メートル超」「10メートル」「5メートル」「3メートル」「1メートル」の5段階区分とし、従来の8段階から簡潔にした。
 主に太平洋側に設置され、沿岸より先に津波が伝わる沖合の「衛星利用測位システム(GPS)波浪計」や「海底津波計」の観測値も状況に応じて発表する。GPS波浪計は15基、水圧変化で津波を捉える海底津波計は36基を用いる。
 巨大地震の場合、発生直後に気象庁が算出するマグニチュードの速報値は実際の規模より過小になりやすい。各種データに照らし速報値が小さすぎると判断した場合、津波予想を「巨大」「高い」と表現する。対象として(1)南海トラフ巨大地震(M9・1)(2)北海道南東沖を震源とする「500年間隔地震」(M8・6)(3)三陸沖北部から房総沖を震源域とする津波地震(M9.0)ーなどを想定している。
 気象庁は仙台市出身のお笑いコンビ「サンドウィッチマン」を広報ポスターに起用、新警報のPRを図る。
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