[2013_01_30_03]東海沖〜四国沖「南海トラフ」付近 大地震6000年間に15回 高知大 津波痕跡調査で説明(東奥日報2013年1月30日)
 東海、東南海、南海地震の3連動で起きたとされる宝永地震(1707年)に匹敵する巨大地震が、過去約六千数百年の間に15回程度起きていた可能性があることを、高知県土佐市の池の津波堆積物を調査していた高知大の岡村真特任教授のチームが20日、明らかにした。

 チームによると、東海沖から四国沖にかけての海底にある溝状の地形「南海トラフ」付近の津波痕跡は約2千年前までのデータしかなく、津波痕跡としては最古級としている。
 岡村氏は「300年から400年程度の幅で1回、宝永級の地震が起きるとのこれまでの研究結果の裏付けになった」とした上で、次の地震が宝永地震のような連動型になる可能性が高いとして「逃げるための対策の整備が急務」と強調した。
 チームがこれまで土佐市の蟹ケ池で実施した約2千年前までの地層調査で、巨大地震による津波痕跡を確認したのは(1)1707年の宝永地震(2)1361年の正平地震(3)684年の白鳳地震(4)300〜600年ごろの地震(5)約2千年前の地震−の5層。昨年10月から11月に調査した結果、今回さらに約2千年前から六千数百年前ごろの間に、10層程度の堆積物を発見した。
 約2千年前の巨大地震による津波堆積物はこれまで、同チームが徳島県阿南市や高知県須崎市、大分県佐伯市、三重県尾鷲市の池でも発見。
 堆積物が東西の広範囲で見つかったことや、宝永地震の堆積物よりも約2千年前の堆積物の量が多い地点があることから岡村氏は「約2千年前の地震は宝永地震を超え、過去最大級だったとの研究結果を補強する」としている。

 南海トラフと津波堆積物

 南海トラフ沿いでは陸側のプレート(岩板)の下にフィリピン海プレートが沈み込んでおり、おおむね100〜150年の周期で大地震が発生。記録に残る最も古い南海トラフ沿いの地震は684年の白鳳地震で、マグニチユードは8超と推定されている。地震の規模は、津波堆積物の調査でも解明が進みつつある。これまでに静岡、三重、徳島など、各地で津波堆積物が確認され、白鳳地震も、東海・東南海・南海の三つの地震が一度に起きた3連動地震である可能性が指摘されている。
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