[2011_03_24_05]搬送の作業員 放射線で熱傷か(NHK2011年3月24日)
 
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搬送の作業員 放射線で熱傷か

 18時42分更新
 24日昼すぎ、福島第一原子力発電所の3号機でケーブルを引く作業をしていた東京電力の協力会社の作業員3人が被ばくし、このうち2人は放射線で皮膚が損傷する「ベータ線熱傷」の疑いがあるとして、病院に運ばれました。
 24日午後0時10分ごろ、福島第一原発の3号機のタービンがある建物の地下1階でケーブルを敷く作業をしていた東京電力の協力会社の20代から30代の男性作業員3人が被ばくしました。
 東京電力によりますと、3人が浴びた放射線量は、173ミリシーベルトから180ミリシーベルト余りで、このうちの2人はくるぶしぐらいまでの靴を履いて、深さ30センチの水につかって作業をしていましたが、靴の中に水が入ったと言うことで、両足に付着した放射性物質の汚染状況を調べたところ、「ベータ線」と呼ばれる放射線が高い値で検出されたということです。
 東京電力は、放射線で皮膚が損傷する「ベータ線熱傷」の疑いがあるとみており、2人は、福島市内の病院で手当てを受けたあと、千葉市にある専門の医療機関「放射線医学総合研究所」に移されるということです。
 原発や医療機関などで働く人たちの放射線量は、緊急の場合は100ミリシーベルトを限度としていますが、福島第一原発の事故を受けて、厚生労働省は、これまでの基準では復旧に向けた作業時間を十分に確保できないとして、上限を250ミリシーベルトまで引き上げています。
 東京電力によりますと、福島第一原発の事故後の作業で、100ミリシーベルトを超える放射線を浴びた作業員は、17人に上るということです。
 東京電力は、作業員の被ばくを受けて、3号機の1階と地下1階での作業を中断しています。
 作業員が被ばくしたことについて東京電力の武藤栄副社長は「心配をかけて大変申し訳なく思っている。安全確保ができるよう努めていきたい」と話しています。
 「ベータ線熱傷」と呼ばれる放射線による皮膚の損傷は、やけどと似ているものの、症状が現れるのは早くて被ばくから2週間以上たってからとされています。
 被ばくして数時間後から放射線を受けた部分が赤くなり、その後、数週間で脱毛や水ぶくれなどに進みます。
 大量に被ばくするほど症状が早く現れ、症状の重さは被ばくした面積や放射線の量などによって異なります。
 通常のやけどと異なり、放射線を受けた場所は、生き残った細胞でも障害を受けているため、長期にわたって炎症が続き、皮膚移植などが必要になることもあるということです。
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