[2011_11_26_02]3.11福島原発事故 「大津波警報も対応は考えず」 1号機の運転員が証言(東奥日報2011年11月26日)
 東京電力福島第1原発事故が発生した3月11日、最も早く炉心の損傷が進んだ1号機の運転員が「大津波警報が発令されたと連絡を受けたが、影響が出るような津波が来ると認識していなかった」と話していることが25日、分かった。経済産業省原子力安全・保安院が事故を検討する専門家会議で明らかにした。
 複数の運転員らから20日に聞き取り調査した。
 津波に襲われ全電源を喪失後、原子炉を冷却していた非常用復水器(IC)を止めたことについて「(復水器で原子炉の蒸気を冷却する)水がなくなっている可能性が考えられ、(使い続けると)冷却管が破損し(放射性物質を含む)蒸気が建屋外に出る恐れもあった」と説明。
 事故後の調査で、復水器の冷却水は約60%残っており、東電はICが十分機能しなかった可能性があるとしている。
 専門家会議委員の奈良林直北海道大教授(原子炉工学)は「ICを使い切っていれば、炉心溶融は防げた」と主張。なぜ止めたかについて、東電に詳しい説明を求めることにした。
 運転員は、津波が来るまでは「通常の対応で収束に持っていけると思っていた」「原子炉は特に異常はなかった」と証言。
 津波来襲後は「中央制御室の表示が次々に消え、ICの弁の開閉も確認できず、機能しているかどうか分からなくなった」「現場に向かったが線量が上昇しており確認できなかった」などと話したという。
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