[2011_11_10_04]柏崎原発周辺 東電が過去の津波調査へ 対策の知見拡充 堆積物を7千年前まで(柏崎日報2011年11月10日)
 東京電力柏崎刈羽原発の横村忠幸所長は10日の定例記者会見で、同原発での津波対策の知見拡充のため、周辺沿岸と佐渡で過去の津波の発生状況を調査することを明らかにした。東電は福島で2009年から10年にかけて同様の調査をしているが、柏崎刈羽では初めて。これまで他の研究機関などで実施したこともないという。調査会社に委託して来週から着手し、来年4月下旬ごろまでにデータ評価を終わらせる。津波評価の信頼性向上につながるとしている。
 調査は、歴史記録が少ない江戸時代以前から、現在の海岸線が形成された約7千年前までの津波の痕跡情報を蓄積することが目的。長岡市寺泊野積、出雲崎町井鼻、市内宮川・西中通・米山、上越市柿崎・谷浜の7地点と、佐渡市下久知・窪田の合わせて9地点を対象とし、各地点で3〜6カ所を選んで深さ約3メートルまで掘削。砂などの津波堆積物の有無を調べ、海側から山側へ追跡して津波の到達地点や高さ、浸水範囲などを推定する。また、上下地層を分析して年代を求める。
 従来の古文署による調査では、柏崎刈羽原発周辺の最大津波は1833年に出雲崎で記録した高さ2・5メートル。東電による同原発の津波想定は最大高さ3・3メートルだが、福島第一原発の事故を受け、緊急で実施した津波対策に加えて、15メートルの津波でも浸水を防ぐ対策として防潮堤建設などに乗り出している。会見で横村所長は、日本海側は太平洋プレートの地震のような大きな津波は起きにくいとしながらも「過去にさかのぽって、より一層の安心のために調べてみる。15メートルなら安心だという部分を補強したい。新たな知見が得られれば対策に反映していく」と述べた。
KEY_WORD:KASHIWA_:TSUNAMI_: