[2011_07_04_01]「活断層評価やり直しを」 東通原発安全対策 県原子力検証委で指摘(東奥日報2011年7月4日)
 
 県内原子力施設の安全性を検証・評価する「県原子力安全対策検証委員会」(委員長・田中知東大大学院教授)は3日、東京都内で第4回会合を開き、東北電力・東通原発1号機の緊急安全対策について審議した。複数の委員から「相当余裕がある対応」などと東北電力の安全対策を評価する声が出た一方で、建築工学や地震工学の専門家からは「活断層の評価をやり直す必要がある」との意見や想定外の津波の可能性を指摘する声があった。
 東通原発の安全対策について、杉山憲一郎・北海道大大学院教授(原子炉工学)は「東日本大震災のようにプレートの)運動はあり得ないと考えて良い。想定津波高を15メートルとしており、相当余裕がある対応をしている」と評価した。
 山口彰・大阪大大学院教授(同)、本間俊充・日本原子力研究開発機構安全研究センター副センター長(原子力防災)も「福島原発の教訓への対応はなされている」「安全対策のりスクも検討しており、評価できる」と好意的な意見を述べた。
 一方、建築工学が専門の滝田貢・八工大大学院教授は「住民の安全を考えれば、活断層の評価をやり直す必要がある」と強調。地震工学の釜江克宏・京都大教授は「依然として、想定外の津波が来る可能性は残る」などと慎重な姿勢を示した。
 会合では、県に提出する報告書の構成についても協議。(1)福島原発事故の概要と教訓(2)緊急対策に関する検証(3)県内原子力施設の安全性向上ーなど5項目とする方向になった。
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