[2011_05_24_01]福島第一 東電「地震損傷なし」 津波前の冷却水喪失否定(毎日新聞2011年5月24日)
 東京電力は23日、東日本大震災をもたらした地震発生直後の福島第1原発の初期データを調べた結果、「地震による主要機器の損傷はなかった」とする分析結果をまとめた。経済産業省原子力安全・保安院への報告は同日が期限。一方、1号機原子炉の非常用冷却装置が津波到達前に手動で停止され、炉心溶融を早めた可能性が指摘されている問題などについて、東電は「引き続き検証する」とし、結論を持ち越した。
 東電は、16日に公表した初期データを、保安院の指示に基づいて分析。地震発生から津波で浸水し全電源が喪失するまでに記録された原子炉の水位や圧力などを調べたところ、主要機器の損傷はなく、「地震で冷却水喪失という問題は発生していない」と判断した。
 だが「水漏れは全くないとは言い切れない」とし、主要機器以外の細管などが破断した可能性については否定しなかった。
 東電は原子炉などの冷却機能を失い大量の放射性物質が漏れた事故について、「想定外の津波が原因」と説明している。【酒造唯、中西拓司、江口一】
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