[2011_03_12_07]宮城震度7、死者数百 M8.8 国内史上最大 八戸舘鼻で津波被害 県全域が停電(東奥日報2011年3月12日)
 11日午後2時46分ごろ、三陸沖を震源とするマグニチュード(M)8・8の巨大地震があった。気象庁によると、関東大震災のM7・9などを上回り、1923年に日本で近代的な地震観測が始まってから最大。東北から関東にかけての広い範囲で津波や火災が発生し、警察庁によると死者は71人、多数の不明者やけが人が出ている。
 宮城県警によると、仙台市若林区荒浜で200〜300人の遺体が見つかった。
 政府は陸海空の自衛隊を災害派遣、警察広域緊急援助隊も最大限派遣する方針。
 宮城県栗原市でば震度7を記録、東北を中心に北海道から九州にかけて震度6強から1を観測した。震源地は牡鹿半島の東南東130キロ付近で、震源の深さは約24キロ。午後3時15分ごろには茨城県・犬吠崎の北東50キロ、深さ約80キロを震源地とするM7・4の地震があり茨城県鉾田で震度6弱。三陸沖や茨城県沖などを震源とする強い揺れを伴う余震が断続的に続いた。
 宮城県警によると、仙台市の仙台新港では高さ約10メートルの津波が確認された。気象庁は、福島県相馬市で7・3メートル、岩手県釜石市では4・1メートルの津波を観測した。気象庁は北海道から沖縄県の太平洋側に大津波警報と津波警報を発表した。
 茨城県高萩市の接骨院が倒壊、3人が下敷きになり1人が死亡した。岩手県久慈市では車が流され1人が死亡、東京都千代田区の九段会館では天井が崩落し女性が死亡したのが確認された。
 宮城県石巻市の海岸沿いでは多数の家屋が津波に流され、多くの行方不明者がいるもよう。同県東松島市の航空自衛隊松島基地は基地のほぼ全域が水没した。福島県相馬市では沿岸から約5キロ内陸まで津波が押し寄せた。
 東北電力によると、東北6県で計約440万戸が停電。福島第1原発1、2号機は自動停止、緊急炉心冷却装置が動かせない状態で放射能漏れは確認されていないが、政府は原子力緊急事態宣言を出した。
 仙台市でガス漏れが多数発生。仙台空港は冠水しすべての飛行機の離着陸を停止した。宮城県内の東北自動車道が各地で損壊、気仙沼市内で大規模な火災が発生した。
 JR東日本は東北と首都圏の在来線すべての運転を終日見合わせることを決めた。
 気象庁は今回の地震を「東北・関東大地震」とした。

八戸館鼻で津波被害 県全域が停電

 11日発生した大地震は八戸市、東北町などで震度5強を観測し、県内で大きな被害が出ている。八戸市の館鼻地区では押し寄せてきた津波に岸壁の車が次々とのみ込まれ、漁船が岸壁に打ち上げられた。八戸消防本部によると、同日午後8時現在、けが人6人を確認している。八戸市の三菱製紙八戸工場敷地内で負傷したとみられる。けがの程度は不明。
 県災害対策本部によると、八戸港所属の中型イカ釣り漁船4隻が港に乗り上げ、横転するなどの被害が出た。風間浦村易国間漁港では漁船1隻、東通村によると、尻屋漁港で漁船2隻が転覆した。
 三村申吾知事は午後4時50分、陸上自衛隊の災害派遣を要請した。同本部によると、県内24市町村で午後7時現在、1万5079人が避難している。
 また県警によると、同日午後、八戸市河原木地区で津波による増水で家屋が孤立、1人が救助を持っているという。同市の南部木材付近で3人、三菱製紙社有地で2人が流されているとの情報があった。七戸町で2人、三戸町で1人が負傷した。
 県が東北電力から得た情報によると午後6時時点で、県内全域で停電。同5時段階で県内全域約90万戸が停電していると推計されるという。同電力は午後9時半ごろ、「11日中の県内復旧は困難」と説明した。
 県警などに入つたJR東日本の情報によると、東北新幹線八戸−七戸十和田間で新青森駅牛後2時28分発の上り「はやて30号」(乗客約300人)が停車、雪のため救助できず、乗客は車内泊となる可能性がある。八戸ー二戸問でも下り.「はやて25号」(乗客約500人)が停車した。
 県によると同日午後6時現在、県内高速道路は全線通行止め。
 日本原燃や経済産業省原子力安全・保安院によると、六ヶ所村の核燃サイクル施設は非常用電源で対応している。東北電力東通原発1号機は定期検査中で運転は止まっている。
KEY_WORD:HIGASHINIHON_:FUKU1_:KANTOUDAISHINSAI_:ROKKA_:HIGASHI_TOUHOKU_:TSUNAMI_: