[2010_12_17_02]津波高さが防波堤と同じなら、1.5倍の高さで防波堤を乗り越える 拡大図(岩波新書2010年12月17日)
 さて、M8.4の南海地震に伴う津波を考えてみよう。水深約200メートルでは、水粒子は約250メートル程度、前後に往復運動する。このときの津波の高さは1メートル前後である。これが水深約10メートルの海域に来ると、水粒子は約800メートル前後、往復運動する。このときの津波の高さは1メートル前後である。これが水深約10メートルの海域に来ると、水粒子は約800メートル前後、往復運動する。そこに防波堤があると、海底から海面までほぼ水平に運動している水粒子が前に進めなくなり、前述のように、これが位置エネルギーに変換され、津波の高さが約1.5倍高くなる。したがって、高さ5メートルの津波は5メートルの海岸護岸に衝突すると、7・5メートル近い高さに盛り上がり、海岸護岸を容易に乗り越えるのである。
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