[2005_04_02_01]20メートル超津波 日本でも スマトラ沖地震など調査 対策強化よびかけ 土木学会(赤旗2005年4月2日)
 土木学会は一日、東京・新宿で地震・津波災害予防・減殺対策への教訓は何かなどをテーマにスマトラ島沖地震・インド洋津波調査共同発表会と討論会を開きました。

 二月から三月にかけてスマトラ島北部のバンダアチェ市などを調査した調査団長の後藤洋三・防災科学技術研究所川崎ラボラトリ所長、家村浩和・京都大学教授らが、インド洋津波災害の被災状況を報告。

 アチェ市中心部では、海岸から二、三キロメートル以内の木造、脆弱(ぜいじゃく)鉄筋コンクリート建物はすべて流出。五キロメートルまで津波による浸水被害が発生しました。コンクリート陸橋や港湾施設も流失する甚大な被害がでていたことをビデオやスライドで解介しました。

 討論会では「日本の東海地震、東南海地震、南海地震でも同じことがおこりうる」(後藤所長)と醤告が発せられ、関査結果を教訓として、国内の沿岸市街地やコンビナリート製橋や港湾施琶の強化がよびかけられました。

 今村文彦東北大学教授は、昨年12月につづいて、先月28日に発生したスマトラ島沖の地震について「余震というより連鎖的地震」と指摘。日本でも20メートルを超える巨大津波におそわれる可能性もあるとして、東海地震、東南海地震、南海地震にいたる地震活動の津波対策の教訓になることを強調しました。

 家村教授は「スマトラ島沖でまた大きな地震がおこったことで、日本でも東南海、東海地震が連発することも想定する必要がある」「インドネシア・バンダアチェ州の津波被害は、いままでに見たことがないぼどすさまじい、凄惨(せいさん)な現場で、生き地獄であった。しかし、それを低減する構造物をつくることは可能である。命を守るためには『逃げるにしかず」と訴えました。
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