[2005_01_08_01]モーメントマグニチュード 長〜い波長 津波と高波はどう違うのか(毎日新聞2005年1月8日)
 ことば モーメントマグニチュード(MW) 震源でずれた断層の面積などを基に計算した物理量。地震の規模を示す最も標準的な指標だが、地震波全体を使った複雑な計算が必要で、発生直後に行う地震規模の推定には使えない。このため、日本では、地震時の地面の動きの最大値から計算される変位を示す「気象庁マグニチュード」を用いている。例えば阪神大震災はMWは6・9、気象庁Mは7・2だった。

 ■長〜い波長 ≪津波と高波はどう違うのか≫ 津波が内陸の奥まで入り込んで被害を拡大させるのは、津波の波長が台風などによる高波と比べてとてつもなく長く、エネルギーが大きいためだ。高さが同じ波でも、津波と高波では全く別物だ。
 東南海・南海地震で想定される津波は波長50〜〜100キロ、高さ10メートルの波だと海面の高さが30分近くも上がったままと計算されている。1960年チリ地震の津波の波長は約200キロとされ、長時間にわたって海面が上昇したままになった。
 これに対し台風などによる高波は波長が最大でも300メートルで、気象庁地震津波監視課は「台風などによる高波では、短い周期で高波が繰り返すだけなので海面の上昇という感じはあまりしない。波の高い状態が持続する津波は、波の持つエネルギーが違う」と話す。
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