[1927_03_08_01]北丹後地方を中心に 関西に又もや大激震 火災、家屋倒壊頻々として 各地に惨事続出す(東京朝日新聞1927年3月8日)
 
※以下は地震関連の見出しと重要と思われる部分をテキスト化したものである

○北丹後地方を中心に 関西に又もや大激震 火災、家屋倒壊頻々として 各地に惨事続出す
 舞鶴地方及び丹後各地では七日午後六時三十分頃から七時にかけ数回激烈な地震あり電燈は全部消えて、暗黒世界となり老若男女は悲鳴をあげて戸外に飛び出し、大混雑を呈した、北丹後方面がもっとも激甚なるが如く宮津?丹後山田口、大野間のトンネル天ノ橋立、岩谷間のトンネルは亀裂を生じ天ノ橋立から岩淵に至る築堤は沈下した、又京都府第一の大川である由良川の鉄橋は危険の恐れあり宮津線は列車不通となり復旧の見込は立たない、なお宮津警察署に達した情報によれば京都府??群加悦町方面に火災起りほとんど全滅の報あり、係員多数急行した、又奥丹後各地では至る所家屋倒壊、道路の亀裂を生じており各地の住民はいつ又大地震が襲来するかわからないので不安の念を抱きいづれも戸外に出て公園その他に避難して夜を明かす決心である、尚天ノ橋立以西の電信電話は全部不通となったので、情報を知ることは困難の状態にある、宮津町方面は七日夕の激震で至る所道路に亀裂を生じ家屋の倒壊多数あり、一二カ所小火事を起したがすぐに消止めた詳細目下取調中
○岩滝町、加悦町方面 全滅に近い惨状 死傷者無数と称せられる
○網野、河守にも火災起る
○全町民戸外で徹夜の避難 陸戦隊上陸して戦場の如き宮津町
○家屋多数倒壊す 豊岡地方は電信電話不通
○電車も止まる大混乱の大阪 耐震家屋も舟の如く揺れて 一時全市は真の暗
○大日本紡績の大工場倒壊す 富士ガス紡でも
○大阪府下の損害
○警官隊を急派す
○避難の混乱で女工九名惨死 三十余名の重軽傷 岸和田紡績会社の惨事
 【大阪電話】堺市??岸和田紡績堺分?では七日午後六時半地震が襲来した時、夜間勤務の女工およそ?六百名が??中であったが地震???に二階及び三階に作業中の女工は悲鳴と共に我先に階下に降りんとはしご段目がけて来たが??階段は?く何百という女工が先を争ったため階段に??にかかり、人の上に人が重なり落ちるありさまで阿鼻叫喚と共に現場は修羅のちまた?となったそれがため下敷きなって死亡したるもの九名、重軽傷者十?名、??者五名をだした
○山陰本線不通となる 鉄橋や築堤の崩壊頻々として 鉄橋大惨害の報告
 【神戸電話】神戸鉄道??(午後九時)地震当時、山陰本線では余震を気遣い列車の運転を休止した、下り四〇三列車に???に止まっていたが万一をおもんぱかり?関車のみ切離して線路の安否を用心しつつ運転したが目下の情報を綜合すると宮津線の???間が激震の中心地と想像される
○大煙突真二つ 兵庫の惨害
 【大阪電話】兵庫県加古?町及び高砂町方面にも激震あり又同県別府村の?木製肥会社の大煙突も二つに折れるなど??大きな被害があった
○日本一を誇る地震計 破壊して用をなさず
 【洲本特電】淡路洲本測候所には日本一と称せられるウインヘルド地震計六台あるも激震のため全部破壊されたため確実なことはわからないが?震は七日午後六時二十八分十四秒を示したまま停止している
○北丹後の災害地〔中〕は家郷の安否を気遣うて下谷郵便局ゆうべの電報局 〔下〕墜落した余部鉄橋
○外人観光客十数名墜落す 舟の「さんばし」から 神戸市の大混乱
○震源地 若狭湾西方 北但地震より強い〔ゆうべ中央気象台発表〕
 関西方面一体の地震について七日午後八時中央気象台では左の如く発表した
▲??時二八分四十五秒▲初期微動継続時間四十九秒▲最大振幅三十五ミリ以上▲震度?震▲性質?▲震央若狭?中部よりやや西方海岸寄りの方(若狭、丹波、丹後、但馬)東京を去る??北約二百五十キロメートル▲その後余震???
 ??はまだ??しているので正確には測りがたいが、今回の内側地震帯の活動によるもので、大正十三年五月十三日の北但馬の地震よりも少し強い、まだ各地からの?報が到着しないので確かな事はわからないが、震源地がもし陸上であったらその被害は北但馬の地震よりも大きい事と考えられる
○酒の河を現出 「灘五郷」にも大被害

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