【記事09170】富士山を中心として 関東の天変地異 地震から海嘯 火災(大阪朝日新聞1923年9月2日)
 
※以下は地震関連の見出しと重要と思われる部分をテキスト化したものである

富士山を中心として 関東の天変地異 地震から海嘯 火災 列車の惨事 御殿場以東通信交通全く絶ゆ
 一日正午富士火山帯を中心としての激震は被害の範囲意外に広く本社は殆ど全滅せる通信機関の間を縫うてあらゆる方法により辛うじて収集したる各種の情報を綜合すれば沼津付近伊東御殿場、駿河駅、箱根、熱海方面の温泉地避暑地より横須賀、横浜、東京及び東京より中央、信越の各線に及び惨憺たる光景を呈するもののようで関西各地より打電せる無線電信も混乱のためか東京において更に応答せず憂慮にたへざるものあり、濃尾大震災以来の震災である。
○東京市中大惨状を呈す 各所に火災と家屋倒壊
 一日午後五時二十分までに名古屋運輸事務所に達した情報によれば東京市内各所は地震のため多数の家屋倒壊、目下全市にわたって火災起り大混乱を呈している(名古屋電話)
○死者六七百名に及ぶ 御殿場駿河駅の大惨害
 名古屋運輸事務所から大阪駅に達した情報によると東海道線御殿場駅から駿河駅に至る間の震災甚だしく家屋全部倒壊し死者六七百名に達する見込であると
○熱海町にも死者夥し
○沼津町の惨状 夜も強震止まず
○新火山か 休火山の活動か
 大阪測候所の観測によれば震源地は伊豆半島南部或いは太平洋南岸海中の地震帯方面における新火山の出現か、休火山の活動開始かであるらしく、海底地震も伴っているようで海嘯の恐れもあるであろう
○大阪から東京へ二日かかる
○岩淵付近
○駿河駅山北駅間に山海嘯起こる 列車転覆、隧道崩潰す
 東海道線御殿場?東に牽引中であった九百二?貨車六十五両のうち十両は++、四百九号列車は脱線転覆し駿河山北間は山津浪で線路埋没し高さ?尺のコンクリート製ビーア一箇所破損した、山北、駿河間にある七号隧道は崩壊した
○三保の松原に九尺の海嘯
○箱根の被害 激甚と海陸連絡
○横浜市は大火 住民船に避難
○中央線の被害 至る所沈下す 信越線も不通
○信州上田 倒壊家屋夥し
○各駅の大混雑
○鉄橋墜落と共に 列車も墜落 常磐線の大椿事
○下り特急沼津に着く 他の列車は着かぬ
○東北本線 鉄橋墜落す
○人心恟々 『震源地横浜』の風説と取締
○一日に十八回 岐阜地方 神戸 金沢 福井 鯖江 長岡 小浜 豊橋 近江八幡 広島 呉 桜井 潮岬

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