【記事65540】気象庁、噴火速報「次は速やかに」=草津白根山で出せず(時事通信2018年1月27日)
 
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気象庁、噴火速報「次は速やかに」=草津白根山で出せず

 12人が死傷した草津白根山の本白根山(群馬県草津町)の噴火で、気象庁は自治体などの情報を生かせず、「噴火速報」を出せなかった。同庁は今回の反省から運用を改め、「次からは速やかに出す」としている。
 噴火速報は、長野・岐阜県境の御嶽山で2014年9月に多数の死者を出した噴火災害を受け、15年8月に導入された。登山者や住民に避難を促すのが目的で、警戒が必要な範囲を明示する「噴火警報」と使い分ける。地震で大きな揺れが伝わる前に警戒を促す「緊急地震速報」とは考え方が異なり、噴火後5分以内をめどに発表する。
 本白根山は23日午前10時ごろ噴火。気象庁には約10分後、草津町役場と東京工業大の観測所から「噴煙が上がった」と連絡があった。同庁も火山性微動を捉えていたが、雪崩などでも揺れが起きるため、草津白根山全体を捉える監視カメラで調査。だが、天候不良で噴煙を確認できなかった。
 噴煙が見えなくても、地震計などに基づき「噴火したもよう」と噴火速報を発表できたが、気象庁は「その場にいる人に、いち早く身を守る行動を取ってもらうため先に噴火警報を発表しよう」(斎藤誠火山課長)と判断。噴火から約1時間後、噴火警戒レベルを引き上げ、鏡池周辺で噴石に警戒するよう呼び掛ける噴火警報を出した。
 斎藤課長は26日の記者会見で「信頼できる機関から情報を得たら、速やかに出したい」と説明。地元自治体や研究者、警察・消防などの情報を積極的に活用する方針を示した。(2018/01/27-14:16)

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