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余震について_過去の地震の例

過去のいろいろな地震の余震活動はどうでしたか?

余震の収まり方は、地震によって異なります。
本震の規模(マグニチュード)が大きいと、余震が収まるまでの期間が、平均的には長くなります。しかし本震の規模が比較的小さくても、余震活動が長く続くことがあります。反対に、本震の規模が大きくても、余震活動が比較的早く収まることもあります。

下の図は、過去のいろいろな地震の余震の収まり方を示したグラフです。

(ここにある図は省略)
過去の地震の余震活動を示すグラフ(本震発生後60日間)

縦軸は地震の発生回数の積算数、横軸は本震が発生してからの経過日数です。
グラフの線の1本1本が、1つの大きな地震(本震)とその余震を示しています。
グラフの傾きが急であれば、短時間で多くの余震が発生しているということになります。逆に、傾きが緩やかであれば、余震はあまり発生していないということになります。

グラフを見ると、平成19年(2007年)新潟県中越沖地震や平成12年(2000年)鳥取県西部地震では、本震後5日も経たないうちに傾きが平坦になっており、余震活動が収まったことがわかります。逆に、平成16年(2004年)新潟県中越地震や平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震では、本震後10日を過ぎても傾きが急であり、余震活動がなかなか収まらなかったことがわかります。

下の表は、大きな余震が本震の何日後に起こったかをまとめたものです。

(ここにある図は省略)
過去の地震の余震活動の推移の表

この表を見ると、1927年に発生した北丹後地震では本震発生後24日後にマグニチュード6以上の余震が起こっていたことがわかります。


平成7年(1995年)兵庫県南部地震の余震活動

下の図は、平成7年(1995年)兵庫県南部地震の余震活動の様子です。
左の図は、本震発生から約1ヶ月間に発生したマグニチュード2以上の地震の震央を示しています。○の大きさは地震の規模(マグニチュード)の違いを表します。 この図から、余震は一本の帯状の領域(余震域)に沿って発生していることが分かります。
右の図は余震活動の経過を示したグラフです。横軸は本震発生からの経過日数です。 棒グラフは1時間あたりのマグニチュード2以上の余震の回数(左の目盛を参照)、曲線は余震回数の積算回数(右の目盛を参照)をあらわしています。 このグラフから、日が経つにつれて次第に余震が減る様子がわかります。このような余震活動の場合は、余震活動の様子が予測しやすいと言えます。

(ここにある図は省略)
震央分布図と1時間毎のマグニチュード2以上の余震の回数のグラフ

平成16年(2004年)新潟県中越地震の余震活動

下の図は、平成16年(2004年)新潟県中越地震の余震活動の様子です。
左の図は、本震発生から約1ヶ月間に発生したマグニチュード2以上の地震の震央を示しています。○の大きさは地震の規模(マグニチュード)の違いを表します。 この図から、マグニチュード6以上の規模の大きな余震がいくつか発生していることが分かります。 本震発生から約4日後にマグにチュード6.1の余震が発生したほか、2週間以上経ってからもマグニチュード5.9の比較的規模の大きな余震が発生しています。
右の図は余震活動の経過を示したグラフです。横軸は本震発生からの経過日数です。 棒グラフは1時間あたりのマグニチュード2以上の余震の回数(左の目盛を参照)、曲線は余震回数の積算回数(右の目盛を参照)をあらわしています。 余震の回数は単純に減ってはいかず、しばしば余震が急に増えてたりしています。これらは、日にちが経ってから発生した規模の大きな余震にともなう「余震の余震」であったり、余震域が広がっていく中で一時的に余震活動が活発化したことによるものです。このような余震活動の場合は、余震活動の推移を予測することが難しいと言えます。

(ここにある図は省略)
震央分布図と1時間毎のマグニチュード2以上の余震の回数のグラフ


平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震

下の図は、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の余震活動の様子です。
左の図は、本震発生から約8ヶ月間に発生したマグニチュード5以上の地震の震央を示しています。○の大きさは地震の規模(マグニチュード)の違いを表します。 余震は長さ500キロメートル、幅200キロメートルの広い範囲で発生しています。
右の図は、マグニチュード5以上の余震の回数を積算したグラフです。比較のために、日本およびその周辺で発生した他の地震についてもグラフを載せています。 過去の地震と比べても、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の余震活動は極めて活発であることが分かります。また、余震の回数は徐々に減少していますが、本震から数ヶ月を経ても余震活動が続いていることが分かります。

(ここにある図は省略)
震央分布図とマグニチュード5以上の余震の回数積算グラフ

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