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震度5弱を観測するなどの顕著な地震が前震であった事例について_明田川保_福満修一郎

※1はじめにの部分のみ抜粋
1 はじめに
気象庁では,地震の発生に伴い震度5弱を観測した場合や,震度5弱に満たなくても,群発地震,津波注意報・警報を発表した地震など社会的に注目される地震活動があった場合に報道発表を行ない,発生した地震の詳細,当該地域における過去の地震活動の状況などを主に解説している.
報道発表を行う際,ほぼ必ず聞かれるのは「今後の見通し」である.地震活動が,本震−余震型で推移すると判断できる場合については,政府の地震調査研究推進本部地震調査委員会によってとりまとめられた報告書「余震の確率評価手法について」(地震調査委員会,1998)に基づき,気象庁は平成10年度から「余震に関する情報」の発表を行っている.これによって,これまで解説に終始していた内容に,予測情報が組み込まれるようになった.
「余震に関する情報」は本震−余震型の活動に適用し,余震は本震よりも規模が小さく,その時空間分布に規則性があることを前提としている.ところが,「今後の見通し」には,往々にして「この後,もっと大きな地震が発生しないか」,つまり,発生した地震がより大きな本震に対する前震ではないかという問いかけが含まれている.ある地震が発生した時,それが前震であることを見分ける手段は現状ではないに等しい.そこで,気象庁では,このような問いに対して,「一般に前震の可能性は低いが,数日程度は念のため注意」するよう呼びかけるなど,経験的知識に基づいた注意喚起を適宜行ってきた.しかし,必ずしも定量的根拠が示されてきたわけではない.
前震については,その規模についての明確な定義はなく,人が揺れを感じない程度の小規模な活動を指す場合もあるが,ここではそのような小さな規模の活動を調査対象としない.本稿は,震度5弱を観測するなど報道対応を必要とする程度の顕著な地震がより大きな地震の前震であった事例が過去にどの程度あったかを調査し,上記の呼びかけに対するひとつの根拠を示すものである

(以下略)

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