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大飯原発地震動再計算のごまかし 試算と称して真の再計算を避ける非「科学的」原子力規制委員会 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その101 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)


 7月13日の原子力規制委員会定例会議の議題1「大飯発電所の地震動の試算結果について」で、島崎前委員長代理の指摘に伴う試算結果を発表し、基準地震動について現状のまま見直す必要はないとした。
 これには、沢山の疑問がある。以下に列記する。

1.島崎さんの見解が示されていない
 委員会では島崎さんの見解が示されなかった。同日の委員長記者会見で島崎さんに説明し「安心した」と答えたとの説明があったが、言いだしっぺでかつ超一流のはずの地震専門家の島崎さんの見解を添えて報告しないのはおかしい。

2.武村式の適用は妥当?
 入倉・三宅式の換りに武村式を使った。この試算には次の問題があると思われる。専門家の詳細な評価を期待する。○関電が統計的グリーン関数法(短周期側)と理論計算(長周期側)を組み合わせたハイブリッド合成法で計算しているにもかかわらず、今回は試算だと称して統計的グリーン関数法のみで実施した。
○結果は、地震モーメントが3.49倍、短周期レベルが1.51倍になったにもかかわらず、地震動の試算結果が短周期レベルでは基準地震動の応答スペクトルの範囲に収まっているとして、大飯原発の基準地震動の見直しを求める必要がないと結論づけた。
○武村式も回帰式であり地震動を過少評価する可能性がある。

3.広く専門家の知見を求めない規制委
 「岩波科学7月号」で<最大クラスではない日本海「最大クラス」の津波―過ちを糾さないままでは「想定外」の災害が再生産される>を書いた島崎さんのみならず、石橋克彦さんや長沢啓行さんや立石雅昭さんほか多くの地震学者が基準地震動の過小評価を指摘している。それにもかかわらず、簡単な試算で良しとするのは、あまりに非「科学的」だ。

4.他の原発への見直しも回避する規制委
 田中委員長はこの議論の結果として島崎さんの指摘問題は「解決」とした。同じ入倉・三宅式を使っている高浜には断層が遠いからと再計算を避け、玄海は今審査中だからと逃げた。本来、安全側に考えて全ての原発でしっかりと再計算するべきであるのに、結果を恐れて(?)でもあろう、再計算させるとは言わない。
 なお、この日の記者会見で田中委員長は、「新鹿児島県知事が川内原発の停止と再点検を求めているが」との指摘に「政治的影響は受けない」と答え、「伊方原発の再稼働について松山・広島・大分で訴訟が起こされている」との指摘に対して何も答えなかった。
 「国民」の側でなく「原子力マフィア」側に立って「科学的・技術的」議論を避ける原子力規制委員会だ。

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