【記事10297】地盤が「液化現象」 新潟地震の調査報告会 大崎氏が発表 新潟地震を参考にユーゴで都市造り 建設省の久田氏招かれ(毎日新聞1964年7月10日)
 
 

※以下は上記本文中から重要と思われるヶ所を抜粋し、テキスト化したものである


地盤が「液化現象」
新潟地震の調査報告会 大崎氏が発表

 アラスカ・新潟地震調査報告講演会が、日本建築学会、日本地震工学振興会の主催で9日午後6時から東京千代田区有楽町、朝日講堂で開かれた。新潟地震について大崎順彦建設省建築研究所員は「新潟市の地盤が液化現象を起こし、建物はいわば液体の上に建っていた」と地盤の異常現象について報告した。
 大崎氏の調査では、新潟市内の鉄筋コンクリート建物は1531むね、このうち被害を受けたのは300-350むね。しかし、被害建物はほとんど震動的変形、震動的破壊はなく、そのままの形で倒れたり沈下している。横倒しとなった川岸町の県営アパートも、ドアは開くしカギもきちんとかかる。だから転倒、沈下の原因は、特殊な地盤の作用で「地盤の液化現象」が考えられる。「地盤の液化現象」は水をふくんだ砂地で起こり、この地盤では(1)砂の粒同士がお互いに押し合う力(2)砂の粒の間にたまっている水の圧力の作用で、建物の安定を保っているが、水の圧力が高まると、粒と粒が押し合う力はゼロとなり、建物は水中に没することになる。つまり沈下するという。
 大崎氏は「液化現象を起こす地震の調査は地震予知より簡単なので、近く調査をして必要な対策をたてたい」といっている。

(後略)

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