【記事10312】地盤の”液化現象”解明 新潟地震で 大崎博士が発表 震災記念に県民会館 新潟、見舞金をさいて(毎日新聞1964年8月29日)
 
 

※以下は上記本文中から重要と思われるヶ所を抜粋し、テキスト化したものである

 「新潟地震で建造物被害の大きな原因となった地盤の”液化現象”が建設省建築研究所の調査で解明され、28日、気象庁行動で開かれた新潟地震防災研究総合報告会の席上、大崎順彦同研究所構造研究室長から発表された。地盤の液化現象は軟弱な土砂が震動によって流動化するもので、新潟市内で被害を受けた鉄筋コンクリート建物310むねの3分の2がこれで、これでやられている。
 大崎博士ら同研究所の調査団は被災地の地盤変化を40数ヵ所にわたってボーリング調査し、震災前の状態と比較した。その結果、土砂が”液化”する限界値は土砂の”硬さ”と地表からの”深さ”との関係が決まり、たとえば深さ8メートルでN値(土砂の堅さを表す国際単位)が10以下だと液化現象が起こることをつきとめた。これで、従来ほとんど設計の上で扱えなかった液化現象を量的に扱うことができることになったわけ。
 液化現象にはじめて明瞭なデータを提出した研究として会場の注目を集めた。
(中略)

大崎順彦博士の話
 液化現象をこのような形でとらえたのはこれが初めてだ。新潟市で地下8メートル、N値10という地点をたどってみると、驚くほどよく大被害地域と一致する。
【注】液化現象とは、震動などで土砂が流動化し、建物をささえる力を失ってしまう現象。
(後略)
KEY_WORD:NIIGATA1964_:地盤の液化現象:建設省建築研究所:新潟地震防災研究総合報告会:大崎順彦建設省研究所構造研究室長:地下8メートルN値10: