[2020_04_21_05]想定の巨大地震、福島第一原発に13・7m津波…建設中の防潮堤を超える(読売新聞2020年4月21日)
 
参照元
想定の巨大地震、福島第一原発に13・7m津波…建設中の防潮堤を超える

 内閣府の検討会は、21日に公表した日本海溝と千島海溝沿いを震源とした巨大地震の予測で、東京電力福島第一原子力発電所に13・7メートルの津波が到達し、建設中の防潮堤(海抜11メートル)を上回ると見積もった。2011年の事故で壊れた建屋の防水工事は完了しておらず、東電は浸水に備え、作業の見直しを検討する。
 東電は千島海溝の地震対策を行う上で、独自に高さ10・3メートルの津波を想定し、防潮堤の高さを海抜11メートルとしていた。しかし、検討会は、震源がより同原発に近い日本海溝の地震を根拠にしたため、東電の想定を上回った。
 検討会によると、津波は事故で壊れた1〜4号機原子炉建屋の北側(福島県双葉町)に到達する。敷地南側に設置済みの防潮堤では防げない。4基の建屋などには放射性物質が混じっている汚染水や汚泥がある。津波で汚染水が増えて海に流出し、廃炉作業が停滞する恐れがある。
 東電は東日本大震災並みの津波(13・5メートル)に備え、原発全体の主な安全対策を設計し、計122か所で防水工事を進めている。しかし、完工予定は21年度末だ。高台に汚泥などを移す計画もあるが、終了していない。
 東電は「検討会の津波で施設にどのような影響が出るのか見極めたい」と話し、防水工事の前倒しも含め、対応を考えるという。
 今回、検討会は東北と関東にある6原発付近の津波高を示し、福島第一原発のほか、東北電力東通原発(青森県)と、建設中の電源開発大間原発(同)で想定する最大の津波を上回った。両原発の場合、敷地が高台にあったり、十分な高さの防潮堤が設置されていたりして浸水しない。
KEY_WORD:津波想定:OOMA_:HIGASHI_TOUHOKU_:HIGASHINIHON_:FUKU1_: