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伊方、川内原発避難計画の非科学性を突く 上岡直見・環境経済研究所代表へのインタビュー 「東洋経済オンライン」・岡田広行記者の記事より 山崎久隆(たんぽぽ舎)

 東洋経済新報社のインターネット版「東洋経済オンライン」誌で、岡田広行記者による川内・伊方原発避難計画に関する記事が掲載された。
 『原発避難計画の検証』(合同出版刊、2014年1月)の上岡直見・環境経済研究所代表へのインタビュー記事である。

※引用1
 「住民避難の視点からどのように見るか」との問いに、上岡直見氏は「万が一原発事故を伴う複合災害に発展した場合、逃げられない住民が続出するのではないかとの懸念を強く抱いた。」と答える。
 鹿児島県が作成した「避難時間シミュレーション結果」については「川内原発周辺から30キロ圏外に脱出するためには、薩摩半島の山間部を通らざるをえないが、土砂災害危険箇所や土砂災害警戒区域が至るところにある。これらはもともと水害を念頭に置いたものだが、強い地震でも同じような被害が出るだろう。避難経路上には多くの川があり、1カ所でも橋が落ちればまったく通れなくなる。
 いったん不通になると2〜3日で復旧できるものでもない。」「私の試算によれば、道路ネットワークが完全ならば16時間前後で30キロ圏外に避難できるケースでも、5%が損傷した場合は約32時間、同10%で約98時間となった。
 これ以上の損傷があると極端な詰まりが発生して、計算は事実上、不能になる。」と、深刻な状況を説明している。

◎山崎コメント1
  丸川珠代環境大臣は「今のところ安全上の問題はないと判断された」として、規制委が止めない判断であるなら止める必要なしとしている。
 しかし基礎的知識の無い人だから、本人には何の判断も出来ない。
  止めない根拠の一つに、川内原発の避難路は寸断されていないことを上げている。また、地震による揺れが原子炉自動停止設定値の地震加速度大である160ガル(鉛直80ガル)を遙かに下回る値だから止める必要なしだという。当たり前だ。今回の地震で川内・玄海・伊方原発が危機的になっているわけではない。
 しかし、予測の範囲を超える震源域の拡大が、現実に目の前で出現している以上、今後の災害予防の観点から止めておく判断をすべきだと言って菅直人前首相や他の大勢の人々が指摘をしているのだ。それについて何ら支障はない(九電の儲けが減る以外には)。
 話の次元をごちゃ混ぜにして、止めない理由のつじつま合わせだけしか出来ない担当大臣は、もはや有害無益以外の何物でもない。

※引用2
 上岡直見氏はインタビューの最後に次のような言葉で締めくくった。
 「今回、新幹線は脱線したし、在来線も不通になった。強い地震の際に鉄道が正常に運行されているとは思われない。おのずから避難は自家用車中心になるが、電柱一本倒れただけでも動けなくなる。福島事故の際にも幹線道路で自動車が数珠つなぎになったが、それでも道路が健在で通行ができただけよかった。その点でも、福島での避難を上回る惨状が起きる可能性が高い。」

◎山崎コメント2
  全く身動きが取れなくなった車から大勢が徒歩で脱出を図ることになろう。大きな揺れに襲われ、崖崩れ多発地帯を放射能に追われて逃げ惑う住民の姿が目に浮かばないか。
 何にも感じないか、そんなこと起こるわけないと思って漫然と原発の運転を認めているのならば、もはや人間性は消滅し住民の命より原子力ムラの利益を優先していることに他ならない。

   川内・伊方原発での避難は、福島よりも過酷だ
   「原発避難計画の検証」の上岡直見氏が警告  岡田広行:東洋経済 記者
      2016年4月24日 記事URL http://toyokeizai.net/articles/-/115318
      より抜粋

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