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泉田知事と東電社長 溝は深く 津波試算出せないのか 司法の場で判断


 5日面会した東京電力の広瀬直己社長と泉田裕彦知事の議論は1年前と同じで、かみ合うことはなかった。東電への不信感をあらわにする泉田知事に対し、原発の安全を優先していると強調する広瀬社長。約20分の面会で浮き彫りになったのは両者の溝の深さだ。
 「福島事故の検証と総括をしていないから、津波試算すら出せないのではないか」

 面会で泉田知事は用意した報道の写しを手に、広瀬社長に「(試算を)出したらどうか」と迫った。写しは、東電福島第1原発事故の避難者が損害賠償を求めた訴訟で、東電が裁判所から提出を促された津波高の試算を拒否したとするインターネット上のニュース記事。東電側の不備を突くことで、福島事故の検証と総括がなければ再稼働議論はしないという、これまでの姿勢をアピールした形だ。
 これに対し広瀬社長は表情を崩さず、「司法の場で判断していただく。今は安全最優先でやっていく。これについてはお答えしかねる」などと応じるにとどまった。

 1年前の会談でも泉田知事は、紙に記した東電に対する疑問点を読み上げ、けん制した。今年の面会では再稼働への直接の言及はなかったものの、再稼働問題を背景にした綱引きが繰り返された格好だ。

 面会後、広瀬社長は柏崎刈羽原発の再稼働について「県の事前了解がなければ(再稼働は)ないだろうということ」としつつ、「知事を含め、県民の理解を深めていくことはそんなに簡単ではないと思っている」との認識を示した。

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