【記事18216】柏崎刈羽原発 周辺地盤10センチ隆起 専門家「直下に活褶曲」(朝日新聞2007年8月31日)
 

※以下は上記本文中から重要と思われるヶ所を抜粋し、テキスト化したものである

 新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原発付近から柏崎市街地までの地盤が、幅約2キロ、長さ約10キロにわたり10センチ程度隆起していたことが東洋大、名古屋大、広島工業大グループの解析でわかった。活断層に押されて地盤が曲がる活褶曲が動いたとみられるが、東電は「活褶曲はない」という前提で原発を建設、現在も見解を変えていない。研究グループは「東電の調査および国の審査の信頼性が問われる」と話している。
 グループの渡辺満久・東洋大数授らは、地球観測衛星「だいち」による地表の観測データを分析。1月16日と中越沖地震から3日後の7月19日のデータを比較し、隆起を確認した。
 同原発が地震のたびに隆起する活褶曲の上にあるという指摘は、1号機建設前から地元の研究者から出ていた。隆起が判明した地域の東縁にある活断層「真殿坂断層」や地震を引き起こした活断層などのずれによって、活褶曲が動いて地面が持ち上がったとみられる。
 東電は原発建設時、ボーリング調査などをもとに、敷地が活褶曲上にあることを否定してきた。昨年9月から10月にかけて原発周辺で人工的な振動を加えて地下の様子を探る調査を行った後も「褶曲や断層はあるが、約12万年前から14万年前以降は動いていない。活褶曲や活断層ではないと考えられる」としていた。(添田孝史)
 東京電力広報部の話 発表内容がわからない段階でコメントできない。

 活褶曲(しゅうきょく)
 地下に潜む活断層が繰り返しずれ動くことで、地表近くを覆う軟らかい地層がひきずられ、たわんで生じる地形。丘陵と平地が交互に繰り返し、地表のしわのように見える。新潟県中越地方は、活褶曲が国内でも発達した場所とされている。

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