【記事18123】原子炉建屋内で破損 柏崎6号機 天井クレーン部 中越沖地震 設計想定甘く 未知の現象の可能性 地震波 軟弱地盤に集中 新潟大調査 「なぎさ現象」で被害拡大(毎日新聞2007年7月25日)
 

※以下は上記本文中から重要と思われるヶ所を抜粋し、テキスト化したものである

 東京電力柏崎刈羽原発6号機で、原子炉建屋の天井クレーンの鋼鉄製継ぎ手(太さ約5センチ)2個が破断した。肉眼では、破断面にさびや金属疲労の痕跡は確認できず、強い揺れの力で一気に引きちぎれたように見える。
 経済産業省原子力安全・保安院も東電も「地震でのこうした破断は、少なくとも原発関連では聞いたことがない」としており、未知の現象の可能性がある。揺れの強さや性質も含め、徹底的な原因究明と対策が必要だ。
 新潟県中越沖地震では同原発で、設計上の想定を最大で約3.6倍上回る揺れが記録された。6号機では、特に垂直方向の揺れの強さが目立ち、想定の約2倍の488ガル(ガルは加速度の単位)に達した。東電が公表したのは各号機の最下階で測定されたデータで、クレーンのあった4階では揺れはもっと強かったとみられる。
 しかし、東電は、揺れの詳細なデータも公開していない。地震計の観測記録や破断面の顕微鏡観察結果などを検証すると共に積極的に公開し、第三者の評価を受けて、結果を今後の対策に生かすべきだ。【高木昭牛】
 新潟県中越沖地震で柏崎市中心部に大きな被害が出たのは、固い岩盤で反射された波が軟弱地盤に集中する「なぎさ現象」が起きたためとする調査結果を24日、新潟大学災害復興科学センターがまとめた。なぎさ現象は、三陸はるか沖地震(94年)や芸予地震(01年)などでも起きたとされ、同センターは「地下構造の詳細な分析に基づいた防災対策が求められる」と訴えている。
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