【記事18648】揺らぐ安全神話 柏崎刈羽原発 断層からの異議 1号機訴訟30年 「行政判断を尊重せよ」 ちらつく最高裁”見解” 日本の裁判官(新潟日報2008年5月2日)
 

※以下は上記本文中から重要と思われるヶ所を抜粋し、テキスト化したものである

 裁判官の世界では戦前から、「会同」と呼ばれる会議が開かれてきた。全国各地から裁判官たちが一堂に会し、判断の難しいテーマについて意見を交換、実務に生かすことを目的とする勉強会という位置付けだ。
 ある元裁判官は一九八〇年代後半、東京都内であった会同での光景を印象深く覚えている。最高裁という存在について考えさせられたからだ。
 会場の意見交換は最終盤を迎えていた。最高裁の担当幹部が議論を引き取る形で「一つの参考として申し上げます」と”見解”を語り始めた。すると、それまで聞くだけだった出席者たちが一斉にメモを取り始めたのだ。
 柏崎刈羽訴訟の一審で裁判長を務めた小野寺規夫。数回の出席経験を通じて、会同がはらむ問題を同様に感じている。「会同で出た通りの判決を出した人もいる。結果的に最高裁の言いなりのように映る」
 会同ではもちろん、原発裁判も扱われた。最高裁事務総局が柏崎刈羽訴訟一審判決が出る三年前、九一年にまとめた「府政事件担当裁判官会同概要集録」。そこにはこんな項目があった。
 「原発などの安全性の審理方法をどう考えるべきか」
 そして次のような”見解”が記されていた。、
 「裁判所は、高度な専門技術的知識のあるスタッフを持つ行政庁のした判断を一応、尊重して審査に当たるべきである」

KEY_WORD:「会同」:柏崎刈羽訴訟の一審で裁判長を務めた小野寺規夫:「行政事件担当裁判官会同概要集録」:明治大教授の西川伸一:判検交流:元裁判官の西野喜一:CHUETSUOKI: