[2020_11_30_02]規制委、日本原電立ち入り調査へ 審査資料無断書き換えで 担当社員から聞き取り(毎日新聞2020年11月30日)
 
参照元
規制委、日本原電立ち入り調査へ 審査資料無断書き換えで 担当社員から聞き取り

 日本原子力発電(原電)が、再稼働に向け安全審査中の敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の審査資料を無断で書き換えていたことを受け、原子力規制委員会は30日、原電の社内体制を検査する初会合を開いた。原子炉等規制法に基づき、近く原電本店(東京都台東区)に立ち入り調査することを決めた。安全審査上の問題を巡って社内への立ち入り調査は異例だ。
 立ち入り調査では、書き換えの経緯を担当の社員から聞き取ったり、再発防止策に関する資料を確認したりする。必要に応じて、敦賀2号機への立ち入り調査もする。
 この日の会合には、原電の役員らもテレビ会議システムを通じて参加した。書き換えの原因については「エビデンス(証拠)としての重要性に関する理解が不十分だった」と話し、審査資料の重要性の認識が欠けていた点を挙げた。これに対して、規制委側は「これでは問題がなぜ発生したかの分析になっていない」と指摘。さらなる詳しい説明を求めることにした。
 規制委の事務局を担う原子力規制庁の古金谷敏之・検査監督総括課長は会合後「原電から原因分析の表面的な説明があった。本店など実際の記録を見て、話を聞かなければいけない」と述べた。
 敦賀2号機を巡っては、建屋直下に活断層があると指摘されているが、原電は「活断層ではない」と反論している。活断層の場合、再稼働はできない。原電による審査資料の書き換えは、2月の審査会合で発覚した。【塚本恒】
KEY_WORD:断層データ無断書き換え_規制委_原電の社内体制を検査_:TSURUGA_: