[2020_09_04_03]福井県坂井市で震度5弱 県内で震度5弱程度以上 昭和38年以来(NHK2020年9月4日)
 
参照元
福井県坂井市で震度5弱 県内で震度5弱程度以上 昭和38年以来


福井県坂井市で震度5弱 県内で震度5弱程度以上 昭和38年以来
2020年9月4日 19時11分

 4日午前9時10分ごろ地震がありました。
 この地震による津波の心配はありません。
 震源地は福井県嶺北で震源の深さは10キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.0と推定されます。

 市町村の震度

 各市町村の震度は、以下のとおりです。
▽震度5弱
 福井県坂井市
▽震度4
 福井市、福井県あわら市
▽震度3
 石川県加賀市、福井県鯖江市、福井県越前市、福井県永平寺町、福井県越前町
▽震度2や1を北陸や近畿、東海、中国地方、それに長野県の広い範囲で観測しました。
 この地震を受けて、政府は、午前9時12分に、総理大臣官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置し、情報の収集と警戒にあたっています。

 “突き上げるような激しい揺れ”

 震度5弱の揺れを観測した福井県坂井市の職員は、地震が発生した当時の市役所内の状況について、「突然、下から突き上げるような激しい揺れが起こり、およそ30秒ほど揺れが続いた。書類や物が散乱したりすることはなかった」と話しています。

 福井県 13人転倒するなど 軽いけが

 県などによりますと、これまでに福井市を中心に合わせて13人が転倒するなどして軽いけがをしたということです。
 このうち震度5弱を観測した坂井市を管轄する嶺北消防本部によりますと、地震の影響で80代の女性が自宅で転倒し病院に搬送されましたが、左ひざに軽いけがをしたということです。
 また、福井市消防本部によりますと、震度4を観測した福井市では、午前9時12分ごろ1歳の女の子が家の中で驚いて転倒して病院に運ばれましたが、あごに軽いけがをしたということです。
 福井南警察署によりますと、福井市の明倫中学校では教室の内壁が崩れて、中学2年生の男子生徒がつまずいて足に軽いけがをしたということです。
 このほか、福井市の小中学校で、児童が避難の最中に足をひねるなど、合わせて13人が軽いけがをしたということです。

震度5弱観測の坂井市 すべての児童・生徒の無事確認

 震度5弱を観測した福井県坂井市の教育委員会によりますと、この地震で市内の小学校19校、中学校5校のすべての児童・生徒の無事が確認され、通常通り授業が行われているということです。
 一方、坂井中学校と兵庫小学校、三国南小学校では、水の供給が止まり、現在、市の担当者が復旧を急いでいるということです。

 関西電力の原発 地震による影響なし

 関西電力によりますと、運転をしている
▽福井県高浜町にある高浜原子力発電所4号機と、
▽福井県おおい町にある大飯原子力発電所4号機に
先ほどの地震による影響はなく運転を継続しているということです。
 また、運転を停止している
▽高浜原子力発電所の1号機、2号機、3号機、
▽大飯原子力発電所の3号機、
▽それに福井県美浜町にある美浜原子力発電所3号機のいずれにも、今のところ影響はないとしています。
 そして、原子力規制庁によりますと、今回の地震による異常の報告は、いずれの原発からも入っておらず、原発周辺の放射線量を測定しているモニタリングポストの値にも変化はないということです。

 志賀原発 敦賀発2号機 今のところ影響なし

 北陸電力によりますと、石川県志賀町にある志賀原子力発電所は、1号機、2号機ともに運転停止中で、地震による影響は今のところないということです。
 また、日本原子力発電によりますと、福井県敦賀市にある敦賀原子力発電所2号機は運転停止中で、今のところ、影響は出ていないということです。原発周辺にある放射線量を測定するモニタリングポストの値にも変化はないとしています。

 「もんじゅ」 「ふげん」 異常の報告なし

 原子力規制庁によりますと、これまでのところ、運転停止中の福井県敦賀市にある日本原子力発電の敦賀原子力発電所2号機ではこの地震による異常の報告は入っていないということです。
 このほか、同じく敦賀市で廃炉の作業が進む日本原子力研究開発機構の高速炉「もんじゅ」と、新型転換炉「ふげん」でも異常の報告は入っていないということです。
 また、施設周辺の放射線量を測定しているモニタリングポストの値にも変化はないとしています。

 高速道路への被害の情報 現時点で入っていない

 中日本高速道路によりますと、この地震による高速道路への被害の情報は午前9時25分現在、入っておらず、通行止めなどはないということです。

 福井県で震度5弱程度以上 昭和38年以来

気象庁によりますと、福井県で震度5弱程度以上の揺れを観測するのは、昭和38年に若狭湾を震源とするマグニチュード6.9の地震で福井県敦賀市で震度5の揺れを観測して以来です。 一方、今回の地震が起きた、福井県嶺北の付近では、昭和23年の6月にマグニチュード7.1の「福井地震」が起き、家屋の倒壊など、大規模な被害が出ています。

 専門家 今後1週間程度 同程度の強い揺れ注意

 地震のメカニズムに詳しい、東京大学地震研究所の平田直教授は、「内陸の比較的浅い場所で起きたため、局地的に揺れが大きくなったと考えられる」と指摘しました。
 また、「過去には、昭和23年にマグニチュード7.1の『福井地震』など大きな地震も起きたこともある地域だ。今後1週間程度、特にこの2、3日の間は同程度の強い揺れを伴う地震が起きる可能性があり注意してほしい。また、今回の地震で周辺では地盤が緩んだ場所がある可能性がある。いつもより土砂災害が起きやすくなっている可能性があり、台風10号に伴う大雨が降った場合は、特に注意が必要だ」と話していました。

 気象庁 今後1週間ほど最大震度5弱程度の地震に注意

 福井県で震度5弱の揺れを観測した地震について、気象庁の加藤孝志地震津波監視課長は、午前10時20分から記者会見を開き、「揺れの強かった地域では落石や崖崩れなどが起こりやすくなっている可能性があるので、今後の地震活動に注意が必要だ。今後1週間ほどは最大震度5弱程度の地震に注意し、特に今後2、3日程度は規模の大きな地震が発生することがあり注意してほしい」と呼びかけました。
KEY_WORD:福井県で震度5弱の地震_:FUKUI_:MONJU_:SIKA_:MIHAMA_:TAKAHAMA_:OOI_:TSURUGA_: