[2024_08_02_14]敦賀原発2号機、初の再稼働不許可へ 審査継続退ける(日経新聞2024年8月2日)
 
参照元
敦賀原発2号機、初の再稼働不許可へ 審査継続退ける

 16:47
 原子力規制委員会は2日の臨時会合で、日本原子力発電(原電)の敦賀原発2号機(福井県)について「新規制基準に適合しているとは認められない」とする審査チームの審査結果を正式に了承した。今後取りまとめる「不合格」の審査書を承認すれば、2012年の規制委発足後、再稼働を認められない全国初のケースとなる。
 2日の会合に出席した原電の村松衛社長は、追加調査に取り組む方針を示して、審査の継続を望んだ。規制委側は退けた。原電は廃炉を含む選択を迫られることになる。
 村松社長は会合後、記者団の取材に対して、廃炉の可能性については「ない」と明言した。規制委で正式に「不合格」になった場合には、原電は「審査書の内容を精査したうえで(稼働に向けた)再申請を目指していく」(村松社長)方針だという。規制委の判断を覆すデータを集める必要がありハードルは高い。
 規制委は今後1カ月ほどをかけて審査書案を作成して、その後にパブリックコメントを実施するかどうかを議論する。必要だと判断すれば「不合格」の審査書案が正式にまとまるまでには数カ月かかる見通しだ。
 規制委の審査チームは7月26日の審査会合で、敦賀原発2号機について「原子炉直下に活断層がある可能性を否定できない」との審査結果を出していた。
 規制委は追加調査を巡る原電の2日の主張が具体性に乏しく、期間が不明確だなどと判断して、審査に一区切りをつけることを決めた。ただ、原電が再申請した場合には、規制委は改めて審査する方針を確認した。
 2011年の東日本大震災後に策定した新規制基準では原子炉の真下に活断層がある場合、稼働できない。12万〜13万年前以降に活動し、これから再び動く可能性がある断層を活断層と分類している。
 電力各社が原発を動かすには新規制基準をクリアする必要がある。これまでに27基が申請し、17基が規制委の審査に合格した。現在は12基の原発が稼働している。
KEY_WORD:敦賀-敷地内断層_:HIGASHINIHON_:TSURUGA_:廃炉_: