[2013_08_15_01]北電泊3号機審査 「断層連動検討を」 規制委 地震の想定 甘さ指摘 最大津波 上方修正も(北海道新聞2013年8月15日)
 原子力規制委員会は14日、原発の審査会合を開き、北海道電力泊原発3号機(後志管内泊村)の津波評価について、前提となる地震想定の甘さを指摘した上で、北海道から本州にかけて断層が連動する場合を再検討するよう求めた。連動を考慮することになれば、想定する最大津波7・3メートルが上方修正される可能性がある。
 北電は再稼働に向けた審査申請で、津波評価の前提となる地震について、断層の大きさと滑る距離によって求める地震規模「モーメントマグニチュード(Mw)」を、1993年北海道南西沖地震の7・84を下回らないようにMw7・85と想定し、最大津波を算出した。
 その際、石狩・留萌管内沖の「北海道西方沖」、後志・檜山管内沖の「北海道南西沖」、「青森県西方沖」の断層が連動し、より大きな地震を起こすケースは想定しなかった。北海道西方沖と南西沖の間の海底には海山や海盆があって断層が連続しておらず、南西沖と青森県西方沖では断層の傾く方向が違うため、いずれも連動しないと結論付けた。
 これに対し、規制委側は「海底に見えるものだけで議論している。海底下をきちんと調査し、連動するかしないかを評価すべきだ」と指摘。判断材料が不十分なら、より厳しい安全対策をとるよう求める考えを示した。北電側は「(指摘を)整理して確認したい」と述べるにとどまった。
 また、津波の前提となる地震規模を南西沖地震並みとしたことについても批判が相次いだ。島崎邦彦委員は会合で、東京電力福島第1原発が想定の3倍近い津波に襲われ事故を起こしたことから、「(Mwが)7・84を7・85にしたから良いという訳ではない」と強調した。会合終了後、規制庁幹部は「北電の想定の仕方は3・11(の福島原発事故)前と変わらない」と批判した。
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