[2020_10_20_10]福島第1処理水を海洋放出へ 宮城知事「風評被害、県内でも」(河北新報2020年10月20日)
 
参照元
福島第1処理水を海洋放出へ 宮城知事「風評被害、県内でも」

 東京電力福島第1原発にたまり続ける放射性物質トリチウムを含む処理水の処分を巡り、村井嘉浩宮城県知事は19日の定例記者会見で、政府が海洋放出する方針を固めたとの報道に「政府から情報提供がなく、答えられない」と前置きした上で、海洋放出の場合、県内でも風評被害が生じるとの認識を明らかにした。
 処理水を貯蔵するタンクの敷地は構内に限られ、2022年夏ごろ満杯となる見込み。村井知事は「少なくとも国民的議論がなされたとは思っていない」「対応を決める時間が迫っているのは事実。避けては通れない問題だ」と述べた。
 原発事故から9年半が過ぎた現在も、県内の農林水産業には風評被害が影を落とす。知事は「風評被害が一部の国で残る中で(処理水の)議論をしなければならないのは非常に残念だ」と指摘。「海洋放出の影響は間違いなく日本全体に及ぶ」と言及した。
 政令市の大阪市を廃止し、四つの特別区に再編する大阪都構想については「小さな政府、大きな地方自治体をつくる考え方には大賛成」と評価。自ら導入に意欲的だった道州制は「国は一時アクセルを踏みかけたが、今はブレーキを踏んで止まっている状態」と当面、見守る考えを示した。
 県は14日、利府町の宮城利府掖済会(えきさいかい)病院で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したと断定。村井知事は「重く受け止めている。患者が爆発的に増える可能性があるという前提で、準備を怠りなくやっていく」と話した。
河北新報
KEY_WORD:汚染水_:FUKU1_:汚染水タンク_: