[2022_06_20_05]不気味な「南海トラフ巨大地震」との符合 「能登半島震度6弱」で誘発か 「隣接地域でM6・5〜7・5程度の頻発注意」専門家が指摘(夕刊フジ2022年6月20日)
 
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不気味な「南海トラフ巨大地震」との符合 「能登半島震度6弱」で誘発か 「隣接地域でM6・5〜7・5程度の頻発注意」専門家が指摘

 2022/6/20 17:00 6/20(月) 17:00
 石川県珠洲市で19日、震度6弱を観測する地震が発生した。同市周辺では1年以上群発地震が続いており、より大きな揺れへの警戒が高まっている。専門家は、今後発生が予想される南海トラフ巨大地震との符合についても指摘する。
 地震は19日午後3時8分ごろ発生。気象庁によると、震源地は同県能登地方で、震源の深さは約13キロ。地震の規模はマグニチュード(M)5・4と推定される。
 石川県能登町で震度5弱、輪島市で震度4、新潟、富山、福井各県の一部で震度3を観測した。5人がけがをし、うち1人は手首を骨折した。
 珠洲市では2020年12月頃から震度1以上を観測する地震が140回を超えている。このうち今年に入ってからの地震は70回にのぼる。
 地震のメカニズムについて、夕刊フジで「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」(木曜)を連載する武蔵野学院大学の島村英紀特任教授は「内陸直下型の群発地震の場合、地下深くのマグマが地表近くに上昇しているケースがある。この場合、海外では普段活動をみられない火山で噴火を起こす事例もある」と解説する。
 災害史に詳しい立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授は「最近は日本列島を東から押す太平洋プレートの動きが活発になっている。これに南から列島を押すフィリピン海プレートの力が合わさることで、鳥取県から新潟県が地震の警戒地域となっており、能登は象徴的な事例だ」と分析する。
 気象庁は、今後1週間程度、最大震度6弱程度の地震への警戒を呼びかけている。高橋氏は「想定される1000分の1のエネルギーしか放出されておらず、能登に隣接する地域でM6・5〜7・5程度の地震の頻発に注意すべきだ」と語る。
 気になるのが巨大地震との関連性だ。
 1943年に日本海側の鳥取平野を震源とするM7・2の直下型地震「鳥取地震」が発生した。翌44年には太平洋側でM7・9の東南海地震、46年にM8・0の南海地震が起きた。
 前出の高橋氏は能登での地震について「南海トラフ地震の前に起こる内陸直下型地震の一環と考えられるのではないか」と強調した。
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