[2016_10_21_09]志賀原発2号機 雨水流入トラブルで再発防止求める(NHK2016年10月21日)
 
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志賀原発2号機 雨水流入トラブルで再発防止求める

 石川県にある志賀原子力発電所2号機で先月、大量の雨水が流れ込み、1階にある電気設備で漏電するトラブルがあり、原子力規制庁は、さらに雨水が流れ込めば、原子炉の非常用の冷却設備などの電源を失うおそれがあったとして、北陸電力に再発防止を求めました。
 志賀原発2号機では先月28日、前線にともなう大雨で原子炉がある建物の1階におよそ6トンの雨水が流れ込み、非常用の照明に電気を送る分電盤の1つが漏電するトラブルがありました。
 北陸電力は、周辺の排水路が工事中で十分な排水ができずに道路が冠水し、その水がケーブルを通すためのすき間や建物のコンクリートのひび割れなどを伝わって地下に広がったとしています。
 19日の原子力規制委員会で、事務局の規制庁はさらに雨水が流入すれば、原子炉の非常用の冷却設備などに電気を送るほかの分電盤も水につかり、安全上重要な機器の電源を失うおそれがあったとして、北陸電力に原因の究明と再発防止を求めたと報告しました。
 原発の再稼働の前提となる審査の申請で、北陸電力は志賀原発2号機の洪水対策について洪水が起きる地形ではないため必要ないとしていて、更田委員は「設備が水をかぶることの恐ろしさは福島第一原発の事故で経験している。それでもなぜこうしたことが起こるのか、規制がどのようなことを要求し、事業者がどのような方針を立てているか、確認する必要がある」と指摘しました。
 北陸電力は「規制庁の指摘を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努めたい」とコメントしています。

「内容精査し今後の規制に生かす」

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は記者会見で、「新たな規制基準でも水の侵入を食い止める水密扉などの対策を求めているが、今回のようなトラブルを想定していなかったという意味では、更田委員も『規制に抜けがあったかも知れない』と言っていたので、内容を精査して今後の規制に生かす必要がある。規制の強化や審査のなかでよく見ていく必要があるかもしれないので、慎重に進めたい」と述べました。

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