[2021_12_26_01]吸着塔保管庫 完成遅れ 福島第1 地震対策 設計見直し(東奥日報2021年12月26日)
 
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 福島第1原発の汚染水から放射性セシウムを除去するために使った「吸着塔」は屋外で一時保管しており、腐食して中身が漏れるリスクがある。東京電力は大型の保管庫の建設を進めているが、2月に発生した地震を受けて設計の見直しが必要となり、2021年度中の完成予定が大幅に遅れる見通しとなった。今後、原子力規制委員会とも協議しながら対応を検討する。
 吸着塔は高さ最大約3・6メートル、重さ最大約28・5トンのステンレス製で、セシウムの吸着材が入っている。使い終わると廃棄物となり、セシウムの量は多いもので数千兆ベクレル。転倒を防ぐラックに収納するなどして屋外で一時的に保管しており、約千基たまっている。
 東電は約740基を収容できる大型保管庫の建設を計画し、20年5月に規制委に審査申請した。事故の初期に発生した吸着塔を優先して保管し、増設も計画している。
 しかし建設途中の今年2月、福島、宮城両県で最大度6強を観測する地震が発生したことを受け、規制委は使用頻度の高い設備の耐震性を高めるよう東電に要請。保管庫も対策が必要になった。
 今月20日に開かれた原子力規制委の会合で、東電の担当者は少なくとも年単位で完成が遅れる見通しだと報告。現状のまま保管庫を完成させて吸着塔を入れ、その後に建物の外側から耐震補強する案も示した。
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