戻る ●2018年8月30日 政府の有識者会議 トリチウム水処分方法 初の公聴会 富岡町で開催 戻る
 
※文中の赤色下線は当会(地震がよくわかる会)の加筆です。

毎日新聞 2018/08/30
 

○印象的な文・発言のアイコン
( 中日新聞 2018/08/31 )

○記事一覧

( 1 ) 東京新聞 2018/08/30 トリチウム水「放出反対」 福島の漁業者ら多数 初の公聴会
 東京電力福島第一原発で保管中の放射性物質トリチウムを含む水の処分方法を巡り、政府の有識者会議が国民の意見を聞く公聴会が30日、福島県富岡町で開かれ、地元漁協の代表者や個人ら14人が意見を述べた。政府が有望視する海洋放出について、県漁業協同組合連合会の野崎哲会長は「漁業に壊滅的な打撃を与え、これまでの努力を奪う。風評被害を引き起こすのは必至だ」と訴え、計13人が反対した。
 意見を述べた十四人のうち、海洋放出を容認したのは一人だけで、他の十三人は反対か慎重「石油備蓄に用いる十万トン級の大型タンクで長期保管し、放射能が減るのを待つべきだ」などの意見が多かった。

( 2 ) 東京新聞 2018/08/30 トリチウム水の放出に反対相次ぐ 汚染水浄化、初の公聴会
( 3 ) 中日新聞 2018/08/31 福島・郡山でも海洋放出反対多数 トリチウム水の公聴会
 東京電力福島第1原発で汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含んだ水の処分を巡り、政府の小委員会は31日、福島県郡山市で国民の意見を聞く公聴会を開いた。30日の同県富岡町での開催に続き2日目。初日同様、参加者の多くが海洋放出への反対を表明した。
 ほかにも男性から「福島ではなく東京湾に流せばいい」との声も上がり、傍聴者から拍手が起こる場面もあった。

( 4 ) 中日新聞 2018/08/31 トリチウム水処分で公聴会開催 委員長「タンク長期保管も議論」
 東京電力福島第1原発で汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含んだ水の処分を巡り、政府の小委員会は31日午後、東京都内で国民の意見を聞く公聴会を開いた。

( 5 ) 河北新報 2018/09/01 公聴会終了 トリチウム水処分、長期保管含め議論へ
 東京電力福島第1原発の敷地内にたまり続ける放射性物質トリチウムを含む水の処分方法を巡り、政府の小委員会は31日、国民の意見を聞く公聴会を東京都内と郡山市で開き、計30人が持論を述べた。有力な選択肢に浮上した「海洋放出」への賛成は皆無で、結論を急ぐ政府や東電への不信感が噴出した。
 郡山市商工会議所での公聴会では、汚染水を多核種除去設備(ALPS)などで処理した水にトリチウム以外の放射性物質も残っている問題に関し「議論の前提が崩れた」と訴える人が相次いだ。

( 6 ) 福島民友 2018/09/01 トリチウム含む処理水「長期保管」加え検討 公聴会の意見受け
 参加者からトリチウムの半減期12・3年を踏まえ、タンクでの長期保管を求める意見が相次いだことを受け、山本一良委員長(名古屋学芸大副学長)は公聴会後、「これだけ提案をいただいたので議論する。どのような可能性があるか検討したい」と語った。

( 7 ) HBO 2018/09/02 元原発技術者が「汚染水を薄めて海洋放出する」方針を批判
( 8 ) AERA 2018/09/03 古賀茂明「『放射性物質を海に流す』安倍政権の方針は7年前から決まっていた」
 地下水を止めるために、地下水の地盤よりも深いコンクリートの壁を作る構想も提案されたが、これだとコストが高いので東電が破たんするという理由で却下された。最終的に採用されたのが、いわゆる「凍土壁」である。

( 9 ) HBO 2018/09/04 東京電力「トリチウム水海洋放出問題」は何がまずいのか? その論点を整理する 牧田寛
 トリチウムは、溶融炉心デブリ(瓦礫)冷却水の水とそれに含まれるホウ素が中性子照射されることによって発生するため、溶融炉心を水で冷却するかぎり発生し続けます。実際には地下水の浸入によっても発生しています。
 しばしばトリチウムは「遺伝子を破壊する悪魔の放射能」などと呼ばれますが、実際には生物濃縮せず、水として体内に摂取した場合の生物学的半減期は約10日、有機物として摂取した場合は40日で、多くは水として取り込まれますので、「体に取り込みやすく出て行きやすい」放射性物質です。また水ですので、体の特定の部位に集まって滞留すると言うことは起こりにくいです。この点がセシウム137やストロンチウム90、ヨウ素131とは大きく異なります。
 長期保管の場合は、石油国家備蓄基地に使われている10万キロリットル級の大型タンクを予備を含めて15基建設する事になります。石油国家備蓄基地では25〜50基のタンクが並びますので比較的小規模なものとなります。120年保管するとトリチウムの濃度は1000Bq/Lに、240年間の保管で1Bq/Lになりますので、この時点で天然の雨水とほぼ同濃度になります。このとき全ベータ濃度も1Bq/L程度に減衰しています。ここまで減衰すれば捨てることへの異論は少ないでしょう。
 石油備蓄基地と違い、経済的に無価値なものを100年単位という世代間管理をすることが可能であるかという問題があります。これは見落としがちですが、合衆国のハンフォードや英国のセラフィールドで世代間管理されている核廃棄物は、50年で著しく管理状態が劣化しており、一部はたいへんに危険な状態に陥っています。わたしは楽観視できないと考えています。

( 10 ) テレ朝 2018/09/05 汚染水の長期保管で廃炉作業困難に 規制委が見解
 更田委員長は5日の定例会見で、タンクの保管が長期化すれば増え続ける汚染水を収容するタンクを作り続けることになり、設置場所も新たに探すことになると述べました。そのうえで、そうした作業に人や資金を割くのは「廃炉を難しくする」という考えを示しました。

( 11 ) 福島民報 2018/09/05 「慎重議論を」強まる声 トリチウム水の処分
( 12 ) 東京新聞 2018/09/06 トリチウム水 「保管長引けば廃炉影響」
( 13 ) 河北新報 2018/09/22 東電、2月からトリチウム水保管タンクの放射性物質測定
 東京電力福島第1原発で汚染水を処理した後に残る放射性物質トリチウムを含む水について、敷地内で保管するタンクの放射性物質濃度を、東電が今年2月から測定していたことが21日、分かった。「タンクの濃度は調べていない」と繰り返してきた従来の説明と異なり、情報公開に対する姿勢が問われそうだ。
 東電は河北新報社の取材に「測っているのは配管でつながった『タンク群』で、タンク一つ一つではない」と釈明。説明の整合性は取れていると主張した。
 東電はこれまで、トリチウム以外の放射性物質の大半を取り除く多核種除去設備(ALPS)の出口で処理水の濃度を計測しているが、タンクは未調査と説明。今月3日の定例記者会見では「政府の要請があれば測定する」との意向を示していた。
 処理水の処分方法を検討している国の小委員会が8月末に開いた初の公聴会も、タンクの濃度測定が未実施の前提で進められた。

( 14 ) 河北新報 2018/09/22 東電、2月からトリチウム水保管タンクの放射性物質測定
( 15 ) 東京新聞 2018/09/29 タンク水75万トン基準超 放射性物質を再浄化へ
 東京電力は28日、福島第一原発のタンクで保管している汚染浄化後の水について、八割以上に当たる75万トンに、トリチウム以外の放射性物質が法令の排出基準を超えて残っているとする調査結果を明らかにした。
 調査結果によると、8月上旬の時点で89万トンの処理済み水を保管し、そのうち75万トンはトリチウム以外の放射性物質が浄化しきれず、基準を超えて含まれていた。16万1000トンは基準の10〜100倍、6万5000トンは基準の100倍以上だった。

( 16 ) 女性自身 2018/10/01 経産省が放出をもくろむ福島原発トリチウム水の危険性
 放射線治療の第一人者で、北海道がんセンター・名誉院長の西尾正道医師は、こうした政府の安全神話に警鐘を鳴らす一人だ。
 「トリチウムは体内でたんぱく質や脂質などの有機物と結合し、有機トリチウムになると細胞の核に取り込まれDNAを損傷。健康被害が生じる可能性があります。カナダでは、トリチウムを大量に放出するピッカリング原発の周辺で、小児白血病やダウン症候群などの増加が実証されています」
 しかし、問題なのはトリチウムだけではなかった。ALPSで除去できると東電が主張していたヨウ素129など、複数の放射性物質が、17年度だけで60回も放出限度の数値を超えて汚染水内に残っていたことが、明らかになった(8月19日共同通信、8月23日河北新報の報道による)。
 前出の西尾医師は「ヨウ素129が体内に取り込まれれば、甲状腺がんの原因になりうる」と危惧する。

( 17 ) 福島民友 2018/10/06 処理水の再浄化「必要なし」 規制委員長、科学的安全性踏まえ
 東京電力福島第1原発の汚染水を浄化した後の処理水に、排水の法令基準値を上回る放射性物質トリチウム以外の放射性物資が残留していることに関し、原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長は5日、東電が処分前に実施する方針を示した処理水の再浄化は必ずしも必要ではないとの認識を示した。
 1日に開かれた処理水の処分方法を検討する政府の小委員会では、処分する場合は再浄化を議論の前提にすると確認したばかり。
 更田氏は「科学的には、再浄化と(より多くの水と混ぜることで)希釈率を上げるのに大きな違いはない。告示濃度制限は非常に厳しい低い値に抑えられている」と指摘。

( 18 ) ソクラ 2018/10/30 安易な「海洋放出」ではなく、根本的な技術開発を
( 19 ) たんぽぽ 2019/03/15 建屋全体を強固な構造で覆い上部をふさぐ工事が必要
( 20 ) 毎日新聞 2019/05/13 処理水、迫る限界 タンク容量あと5年
( 21 ) 毎日新聞 2019/05/13 処理水、長期保管も選択肢 政府、処分法検討
( 22 ) GreenP 2019/07/23 東電が汚染水を海に流してはいけない4つの理由
( 23 ) 福島民報 2019/08/04 トリチウム水 長期保管議論へ タンク増設検討
 東京電力福島第一原発で汚染水浄化後に残る放射性物質トリチウムを含む水の処分方法を議論する政府小委員会の山本一良委員長(名古屋学芸大副学長)は三日、第一原発を視察し、長期保管を前提とした議論を九日の次回会合で本格的に始める考えを明らかにした。
 山本氏は視察後、報道陣に対し「トリチウム水の貯蔵を考えなければならない」と構内での長期保管を実現する上での条件を整理する意向を示した。「いろいろな設備や保管場所が必要だ。兼ね合いを考えながらどうやって場所を空けていくか検討する」と述べ、タンク保管に充てられる土地の有無を精査するとした。

( 24 ) たんぽぽ 2019/09/03 破綻しつつある!アルプス処理水問題
 ◎ ところが、原子力規制委員会が第一原発の廃炉作業を監視するための会議、第72回・特定原子力施設監視・評価検討会の場で次のようなやり取りがあった。
 ・規制庁〜多核種除去設備等処理水の説明をして欲しい。
 ・東電〜2018年度に行った62核種の詳細分析の結果、不明核種である「C−14」(カーボン14)「Tc−99」(テクニチウム99)が有意に検出された。原因は吸着剤の性能低下にあると判断している。
 ◎ このたび「東電福島第二原発廃炉!」が実現した。

( 25 ) HBO 2019/09/27 「処理水海洋放出」は何がまずいのか? 論点を整理する
( 26 ) 河北新報 2020/02/01 処理水 海洋放出の利点を政府小委強調 大気放出も選択肢報告へ
( 27 ) たんぽぽ 2020/02/03 放射能汚染水(ALPS処理水)はトリチウム以外の核種も基準超え 木村雅英
 東京電力福島第1原発で保管されている放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法を巡り、政府の小委員会は31日、前例のある海洋と大気(水蒸気)への放出を「現実的な選択肢」とした上で、放射性物質監視などの面から「海洋放出の方が確実に実施できる」と強調した提言案を大筋で了承した。今後、政府が県内農林水産業者らの意見を聞き方針を決定する。

( 28 ) ヤフー 2020/03/09 処理水海洋放出の知られざるリスク「サンデーモーニング」が指摘
( 29 ) たんぽぽ 2020/03/25 福島震災から9年 いまの喫緊の課題は何か−5つ 耐震性と津波問題
( 30 ) 共同通信 2020/04/21 処理水 放出絶対ダメ 国内外の320市民団体が声明
( 31 ) TUF 2020/09/03 トリチウム水 経産省と市民会議が意見交換
( 32 ) 福島民報 2020/09/19 処理水巡り意見書可決 7市町村議会
( 33 ) 福島民報 2020/10/19 【検証 トリチウム水】国民への説明不十分 政府小委委員指摘 風評の懸念根強く
( 34 ) NHK 2020/10/20 トリチウム含む水処分 「海洋放出以外もっと検討を」市民団体
( 35 ) 福島民報 2020/10/20 東電への不信感根強く 福島第一処理水処分 国民理解進まず
( 36 ) TUF 2020/10/26 トリチウム水海洋放出への波紋 地域で活動する人たちは
( 37 ) 福島民報 2020/12/30 一方的なタイムリミット 国民理解深まらず トリチウム水保管タンク
( 38 ) たんぽぽ 2021/03/09 菅首相の「処分方法決定」方針は誤り 長期保管で放射能濃度の減衰
( 39 ) 原子委会 2021/04/11 ALPS処理汚染水 海洋放出問題についての緊急声明
( 40 ) 中央日報 2021/04/12 日本の汚染水海洋放出迫る…24カ国の市民団体が反発
( 41 ) FoEJapan 2021/04/13 声明:処理汚染水の海洋放出決定に抗議する
( 42 ) 京都新聞 2021/04/14 処理水の放出 対話する姿勢ないまま
( 43 ) MG2_NEWS 2021/04/15 汚染水「放出ありき」の非道。政府と東電の“密約”が炙り出す大嘘
( 44 ) BLOGOS 2021/04/17 【汚染水放出に対する声明】 山本太郎
( 45 ) ゲンダイ 2021/04/25 大島堅一・原子力市民委員会座長 「汚染水の海洋放出は必ず失敗する」
( 46 ) たんぽぽ 2021/12/24 福島第一原発事故による汚染水対策は破綻状態にある_山崎久隆
 意見募集を行ったのですが、「報告書」の前提となっているのは汚染水を海水で薄めて海洋に放出するというものですから、その是否を問うものならば意義はあると思いますが、環境影響評価の部分にだけ意見を求める形式になっていて、これは納得できません。
 また、汚染水を「ALPS処理水」というのならばまだしも、文中では「安全な水」などと表記しており、あらかじめ大きくバイアスをかけています。
 「安全な水」を海に流しても安全であることには間違いないでしょう。
 このような立場で書かれた文書が、評価報告書という名で公開されていることに驚きを禁じ得ません。
 東電の姿勢は、いまさらながらに恐ろしいと感じました。
 ◎ 残念ながら、汚染水対策は破綻状態にある。
 「重層的な対策」などは機能しておらず、実質的にはサブドレン井戸をくみ上げて毎日海洋放出することで建屋侵入量を減らしているに過ぎない。
 つまり「サブドレン一点の効果」であり、残りの対策はサブドレンまでの地下水を抑制しているに過ぎない。サブドレンが機能していた時代、つまり2011年3月11日以前は、建屋最下部以下まで地下水位を下げていたのだから、今もそれは可能である。
 凍土壁や地下水バイパスがなくても地下水量はコントロールできるはずである。

( 47 ) たんぽぽ 2021/12/25 公聴会では明確に反対する意見がほとんど 汚染水処理に関連して 山崎久隆
 ◎ 福島第一原発であれば大型の(35万キロリットル級)タンクを敷地北側内陸部に地下式で8基程度建設し、今あるタンクの水を全て移せば遥かに安全である。
 タンクが漏えいしたら、等と、意味のない反論をしているが、漏洩対策をしたタンクの存在も知らないのかと、呆れるばかりである。
 第一、海洋放出が始まったら数年でタンクがなくなるのであればまだしも、最終的には放出終了時点までタンクは存在し続ける。半減するのでさえ30年も経ってからと推測される。
 いったいどこが「リスク対策」になっているのか。
 地上タンクが危険というのならば、今すぐ全タンクを地下式に移行する作業を開始すべきである。
 そのような対応さえせずに、長期保管タンクを否定する主要な点に「危険性」を挙げるのは、天に唾するごときものである。
 これら委員会の発言を借りて東電の都合を主張しているに過ぎない。
 削除すべきであろう。

( 48 ) 日弁連 2022/01/20 汚染水等の処理について海洋への放出に反対する意見書
( 49 ) 東京新聞 2022/05/25 処理水の海洋放出工事「事前了解しないで」 福島の市民団体が福島県に要請
( 50 ) ウネリウネラ_牧内昇平 2023/07/07 【汚染水の海洋放出】市民と経産省・東電の意見交換会(前半)
( 51 ) ウネリウネラ 2023/07/20 【海洋放出】話し合いは十分か? 〜市民と経産省・東電の意見交換会@郡山〜
( 52 ) FoE_JAPAN 2023/08/21 【Q&A】ALPS処理汚染水 押さえておきたい 14 のポイント
 Q: 「処理水」? 「汚染水」?
 Q: 何が含まれている?
 Q: 東電はすべてのタンクについて放射性物質を測っている?
 Q: トリチウムって何?
 Q: トリチウムは安全?
 Q: トリチウムは世界中の原発から排出されているから問題ないのでは?
 Q: トリチウム濃度を排出濃度基準の『40分の1』に希釈する?
 Q: 海に流すしかないのでは?
 Q: 「大型タンク貯蔵案」と「モルタル固化案」は検討された?
 Q: 敷地は本当に足りないの?
 Q: 「関係者の理解」って何? 「関係者の理解」は得られるの?
 Q: 福島県内の自治体の意見は? 近隣県は?
 Q: 公聴会は開かれたの?
 Q: 汚染水を増やさない対策は?
 Q: IAEA(国際原子力機関)の「お墨付き」をどう考える?

( 53 ) FoEJapan 2023/08/22 声明:ALPS処理汚染水の海洋放出に抗議するー「関係者の理解」は得られていない
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