[2018_02_03_02]福島原発処理水放出「経済的影響考慮を」 経産省小委(東奥日報2018年2月3日)
 
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 経済産業省は2日、東京電力福島第1原発の高濃度汚染水を浄化処理後、タンクに貯蔵している放射性物質トリチウムを含む水(処理水)について、処分方法を絞り込む有識者小委員会を開いた。
 トリチウムは通常の原発では海に放出しており、原子力規制委員会も東電に海洋放出を求めているが、地元漁業者らの風評被害への懸念が強く、実施のハードルは高い。
 この日の会合では、復興庁の担当者が震災いじめ防止に向けた放射線教育や海外観光客向けの広報活動の方針を説明。東電は、福島県産食品の流通拡大に向けた取り組みを紹介した。
 出席した東京大の関谷直也特任准教授(災害情報論)は「福島で漁業は農業、観光と違い回復していない。海洋放出するならば安全の議論だけでなく、経済的影響も考えないといけない」と指摘した。
 処理水を巡っては、政府の別の検討会が2016年6月の報告書で、薄めて海洋放出する方法が最も短期間に低予算で処分できるとした。小委員会はこの報告書を基に、風評被害など社会的影響も考慮して適切な処分方法の評価をまとめる。
 規制委の更田豊志委員長は先月の福島県の視察で、処理水に関して「今年中に意思決定できなければ、新たな困難を迎えることになる」と述べている。
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