[2013_04_06_04]増え続ける汚染水 解決策見いだせず(NHK2013年4月6日)
 
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増え続ける汚染水 解決策見いだせず

 20時30分更新
 増え続ける汚染水を巡っては、敷地内に貯蔵用のタンクなどを次々に造って保管するという、いたちごっこが続いていて、事故から2年がたっても抜本的な解決策は見いだせていないのが現状です。
 福島第一原発では、原子炉建屋の壊れた壁などから地下水が流れ込み、今も1日400トンのペースで、高濃度の放射性物質を含む汚染水が増え続けています。
 これらの汚染水は、放射性セシウムを取り除いたあと、一部は原子炉の冷却に使い、それ以外は、海や大気中に漏れ出さないよう、敷地内に設置したタンクや地下の貯水槽にためて保管されています。
 現在、タンクと地下の貯水槽の貯蔵容量は合わせて32万トン分ありますが、すでに8割を超す27万トン分が埋まっている状況です。
 保管用のタンクの設置を巡っては、地盤の状況など敷地内で適した場所を探す必要があり、すぐに設置することが難しく、東京電力では計画的に増やすという対応をとっていました。
 特に今回水漏れが見つかった地下の貯水槽は、たくさんの汚染水をためることができることから、東京電力も「当面の保管先として期待していた」と話していて、今回の水漏れで、およそ1か月分に当たる1万4000トン分の貯蔵が当面できなくなるとみられ、影響は深刻です。
 また、7つある地下の貯水槽はいずれも同じ構造で、東京電力は、原因の究明が終わるまで、今回の緊急的な移送以外では貯水槽よりもタンクを優先的に使う方針を示しています。
 しかし、タンクは十分な余裕がない状況で、綱渡りの状態が続くとみられます。
 東京電力は、地下水の流入を減らして汚染水の増加を抑える対策を進める一方、今後もタンクの増設を続けて70万トン分まで増やし、およそ2年半後までの貯蔵量を確保したい考えです。
 しかし、短期的にみると、汚染水の保管状況は厳しさを増しており、東京電力は早急に保管計画を見直すことにしています。
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