[2014_10_23_02]福島第1建屋カバー解体 凍土壁工事 鍵握る(東奥日報2014年10月23日)
 
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 東京電力は福島第1原発1号機の本格的な廃炉作業に向け、第一歩となる建屋カバーの解体作業に着手した。建屋周辺では優先度の高い汚染水対策「凍土遮水壁」の工事も並行して進んでおり、東電が来年3月に予定する本格的なカバー解体開始は、凍土壁工事が遅滞なく完了するかにかかっている。
 昨年8月、3号機でのがれき撤去作業中に放射性物質が飛散し、数十キロ離れた水田のコメが汚染された可能性が今年に入って指摘された。1号機建崖カバー解体への地元の目は厳しさを増し、東電はがれき撤去を行う1号機建屋5階に大気中の放射性物質の量を測定する機器を新設した。慎重な作業に徹する姿勢をアピールするとともに、周辺環境への汚染が懸念される場合の通報態勢なども整備し、ようやく関係自治体の了承を取り付けた。
 東電は放射性物質の飛散防止剤の効果を確認するため建屋カバー屋根部分のパネル6枚のうち2枚(1枚は幅約7メートル、長さ約42メートル)を撤去する。
 だが、政府と東電が汚染水抑制の抜本策と位置付ける凍土壁も来年3月の凍結開始を目指している。建屋北側の敷地で凍土壁の凍結管を打ち込む作業が行われる12月から来年2月までは、外したパネルを置く場所がなくなるため再び屋根部分に戻し、カバー解体作業は一時中断する。東電の担当者は「来年3月のカバーの本格解体が遅れる心配はない」と説明するが、凍土壁工事でトラブルがあれば、カバー解体の遅れは避けられず、廃炉計画自体にも影響が出かねない。
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