[2017_08_05_01]「危機意識向上を」県が東電に申し入れ_第一原発4号機サブドレン水位低下(福島民報2017年8月5日)
 
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「危機意識向上を」県が東電に申し入れ_第一原発4号機サブドレン水位低下

 東京電力福島第一原発4号機近くで地下水をくみ上げる井戸「サブドレン」の水位が一時低下し、原子炉建屋内の高濃度汚染水が建屋外に漏れ出す恐れがあった問題で、福島県は4日、東電に原因究明と再発防止を申し入れた。小野和彦県危機管理部長は「住民の安全を確保する上で重要な問題」と指摘し、廃炉作業に携わる全ての関係者の危機意識向上を強く求めた。
 今回の問題では現場担当者が水位低下は水位計の故障と思い込み、公表が遅れた。県はこれまで再三にわたり速やかな情報発信を求めてきた。小野部長は県庁に東電の小河原克実福島第一廃炉推進カンパニー副責任者を呼び、問題の重大性に対する意識の欠如が報告遅れにつながったと指摘。通常とは異なる事態に直面した際は現場で安易に判断せず、組織全体で情報を共有して対処するよう厳しい口調で要求した。
 問題を報じた本紙記事などを示しながら、たった一つの問題が県内の生産者らの風評払拭(ふっしょく)に向けた努力を台無しにすると批判。「(一つ一つの作業が)県全体の復興に大きく関係することを自覚してほしい」と語気を強めた。
 小河原副責任者は「県民に大変な不安を与えてしまった。県全体の風評につながるということを肝に銘じ、しっかりと取り組む」と陳謝した。
 東電は建屋周辺の井戸のくみ上げ量を調節することで建屋外の地下水位が建屋内の汚染水より低くならないようにし、汚染水の漏えいを防いでいる。東電によると、2日午後6時半ごろから約20分間、何らかの原因で地下水位が汚染水より低下した。現場の担当者が水位低下は水位計の故障と誤認し、緊急調査をしなかった。原因については調査中としている。

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