[2018_05_19_02]海洋放出では10年、地層処分なら100年 第1原発・汚染水処理(福島民友2018年5月19日)
 
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海洋放出では10年、地層処分なら100年 第1原発・汚染水処理

 東京電力福島第1原発の汚染水を浄化後に残る放射性トリチウム(三重水素)を含んだ水を巡り、処分方法を検討する政府の小委員会が18日、都内で開かれた。処理水を海洋や水蒸気などで放出した場合、風評被害などの社会的な影響が生じる期間は処分完了まで10年程度になるとの見解を示した。一方、地層注入や地下埋設を選んだ場合は約50〜100年程度に及ぶ可能性を指摘した。
 処理水を地層注入や地下埋設で処分すれば、社会的な影響を与える地域は第1原発近郊に限られる一方、処分に長期を要し、影響を与える期間が100年程度と推定。海洋放出や水蒸気放出は影響を及ぼす地域が海外や国内の沿岸など広範囲となる恐れがあるが、処分にかかる期間が10年弱と短く、影響が残る期間も10年程度と見込んだ。
 ただ政府はこれらの推計に第1原発で増え続けている処理水は含めておらず「処分する処理水の量や濃度で完了期間は変動する」と説明した。社会的な影響を抑える手だてについては国内外に正確な情報を発信する対策強化を提案した。風評被害の抑制、被害を補填(ほてん)するよう経済的対策を丁寧に講じるべきだとした。

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