[2019_05_24_05]「特重設備」の無い再稼働中の原発は放水砲とシルトフェンスでメルトダウン緩和対策がおこなわれている 中西正之(福岡在住、元燃焼炉設計技術者)(たんぽぽ舎2019年5月24日)
 
参照元
「特重設備」の無い再稼働中の原発は放水砲とシルトフェンスでメルトダウン緩和対策がおこなわれている 中西正之(福岡在住、元燃焼炉設計技術者)

 最近原発を所有する電力会社は、原子力エネルギー協議会(ATENA)を設立し、加圧水型原発の「特重設備」の建設が間に合わないので、「特重設備」の5年間猶予の期間を延長してほしいと原子力規制委員会に申し入れしました。
 原子力規制委員会は「特重設備の5年間猶予の期間の延長は認められない」との決定をおこないました。
 現在稼働中の日本の原発には、「特重設備」が有りません。
 「特重設備」の5年間猶予の規制が定められていても、その設置が間に合わないとの原子力エネルギー協議会(ATENA)の申し込みです。
 それでは、「特重設備」の無い再稼働中の原発は、何かの原因でメルトダウンが発生した場合、その影響を緩和するために、どのような対策を取っているかが重要と思われます。

福島第一原子力発電所事故を踏まえた安全性向上対策の
実施状況等について
平成27年5月7日 関西電力株式会社
http://www.atom.pref.fukui.jp/senmon/dai80kai/ref1.pdf
 この資料に説明があります。

引用開始
 福島第一原発のようなメルトダウン事故が発生した場合、現在の稼働中の原発は、格納容器から大気中に放出される大量の放射性物質は、放水砲で打ち落とします。
 放水砲で大量の放射性物質を打ち落とし、放射性物質で汚染された大量の汚染水が、太平洋や日本海に流出しない様にシルトフェンス(水中カーテン)を使用して対策を行います。
 メルトダウンして、格納容器に落下した2300度Cにも成る100トンもの溶融核燃料によるMCCI(コアコンクリート反応)は、コアキャッチャ改造などはせずに、「移動式大容量ポンプ車の大量の水で対策します。水蒸気爆発は、起こらないと考えています。」引用終了

 とされています。
 過酷事故対策問題は、テロ対策問題と呼ばれるだけで、このような危険な状態での原発の再稼働が許されるのでしょうか。

◎より
 「ないよりはまし」かもしれないが、「放水砲とシルトフェンス」の 2つでは過酷事故対策に、ならない。
 「特重」の場所も「非公開」という秘密主義にも驚く。
事故情報編集部
KEY_WORD:FUKU1_: