[2019_12_08_02]処理水巡り不安の声 福島第1原発廃炉状況、周辺住民ら視察・座談会(河北新報2019年12月8日)
 
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処理水巡り不安の声 福島第1原発廃炉状況、周辺住民ら視察・座談会

 東京電力福島第1原発の廃炉の状況を見てもらうため、資源エネルギー庁と東電は7日、原発周辺の住民や避難者らを対象に視察・座談会を実施した。
 いわき市や福島県大熊町などの住民や避難者ら約30人が参加。廃炉が進む原子炉建屋周辺などをバスで巡った。視察後の座談会は同県富岡町の東電廃炉資料館であり、五つのグループに分かれて意見交換した。
 住民からは第1原発で増え続ける処理水に関して「海洋放出すれば住民の帰還は遅れるのではないか」と不安の声が出た。「目の前で建屋を見られる状況まで廃炉が進んだ。作業員のおかげだ」といった感想もあった。
 エネルギー庁が作った第1原発のジオラマも披露された。参加したいわき市の会社役員中野修三さん(58)は「原発事故を起こした東電への住民の視線は厳しいが、座談会を重ねて住民の声に耳を傾けてほしい」と注文。エネルギー庁の木野正登参事官は「廃炉の現状を伝え、住民の不安解消につなげる」と話した。
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