[2020_02_03_05]〔動画〕経産省 廃炉・汚染水対策担当者に聞く! 処理水海洋放出について(福島テレビ2020年2月3日)
 
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〔動画〕経産省 廃炉・汚染水対策担当者に聞く! 処理水海洋放出について

 国の検討委員会は、福島第一原発で溜まり続ける「処理水」について『海洋放出の方が処分が確実』とする提言を取りまとめた。
 これについて、原発事故直後から廃炉・汚染水対策を担当している経済産業省の木野正登さんと一緒に考える。

処理水の処分をめぐって
「地層注入」「地下埋設」「水素放出」「海洋放出」「水蒸気放出」5つの方法が検討されていた。最終的に絞られたのが「海洋放出」と「水蒸気放出」。

【海洋放出のほうが確実に実施できる…その理由は?】
経済産業省 資源エネルギー庁参事官 木野正登さん
「海洋放出は何十年という経験があります。したがって、どういう設備を作ればいいかモニタリング・予測がしやすいというメリットがあります。」

【水蒸気放出は前例もあるが、海洋放出との違いは?】
経済産業省 資源エネルギー庁参事官 木野正登さん
「アメリカのスリーマイルアイランドの原発事故の処理の1回のみの事例で我が国では経験がない。設備をどう作ればいいか設計を検討しなくてはならないですし排気筒みたいなものも作らなくてはならない…経験がないということと拡散の予測が難しいというデメリットがあります。」

<国の検討委員会では処分方法に加え敷地内での長期保管の可能性も議論>
【いまの保管状況は?どうして長期保管は難しいの?】
経済産業省 資源エネルギー庁参事官 木野正登さん
「大熊町側の敷地は多くのタンクが占めています。968基でタンクの水は118万t。2020年の末までに137万tのタンクを作ることになっていて相当敷地に余裕がなくなってきています。」

【福島第一原発のすぐそばに森林があるが…整備して使うことは?】
経済産業省 資源エネルギー庁参事官 木野正登さん
「ここは除染廃棄物の中間貯蔵施設の土地で20数年後には返却をしなくてはいけない土地。また、除染廃棄物を置かせていただくという前提で住民の方に苦渋の決断をしていただいていますので、ここにタンクを置くのは相当難しいと我々は考えています。」

【タンクがあることで廃炉作業への弊害は?】
経済産業省 資源エネルギー庁参事官 木野正登さん
「今、使用済み燃料の取り出しを3号機から始めていますが、今後1・2号機、5・6号機の使用済み燃料も行います。また2年後には燃料デブリの取り出しが始まります。取り出した使用済み燃料や燃料デブリを構内に一時的に保管する施設も作らなくてはならないので、タンクだけを作っていくわけにはいかない。廃炉を進めていくためには今後土地の確保も必要になってきます。」

<処理水の処分方法は今後 政府が最終判断>
【福島県内の漁業関係者は海洋放出に反対の姿勢を貫いている】
県漁連 野崎会長:「漁業の復興状況から見ても大きな障害になりうる。操業への様々な方向付けは、全てあのトリチウム水の海洋放水がないという事が前提で進んでますので。」

【どのように風評対策を進め、理解を求めるうえで何が大切になってくる?】
経済産業省 資源エネルギー庁参事官 木野正登さん
「化学的にトリチウムがどういったものか、トリチウムの安全性について理解していただくことが大事だと思っています。タンクすべての水を1年間で処理した場合被ばく線量は(大気放出1.2マイクロシーベルト)(海洋放出0.81マイクロシーベルト)で(自然放射線2100マイクロシーベルト)を比べても十分に低いことが分かる。こういった化学的事実をしっかり説明することが1つ。
もう一つは風評被害対策をしっかりたてて実施することが大事だと思っています」

【政府は処分方法をいつまでに決定?】
経済産業省 資源エネルギー庁参事官 木野正登さん
「今のタンクの限界は2022年の夏ごろと言われています。また準備に2年程度かかると言われています。それを考えると長い時間はないと考えています。」

福島テレビ

最終更新:2/3(月) 19:00
福島テレビ
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