[2020_04_08_01]処理水処分で国が提言内容説明 富岡町と大熊町(福島民報2020年4月8日)
 
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処理水処分で国が提言内容説明 富岡町と大熊町

 東京電力福島第一原発事故で増え続けている放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分を巡り、政府は七日、富岡、大熊の両町役場で、大気への水蒸気放出と海洋放出が現実的とする政府小委員会からの提言内容を、町幹部や町議に説明した。富岡町では「結論ありき」と批判する意見が相次ぎ、さらなる議論が必要として再度説明の場を求めた。第一原発の立地する大熊町では風評被害対策を要望する意見があった。
 富岡町議会全員協議会の場で説明された。公開の形で行われた。
 議員からは「長期保管について十分な検討がなされていない。現時点で水蒸気放出や海洋放出といった結論を出すのはおかしい」と訴える声が上がった。
 別の議員はタンク増設など長期保管に関する詳細なデータを示すように求め、「結論ありきではなく長い目で議論できる状況をつくることが大切だ」と指摘した。
 高橋実町議会議長が「再度説明の場を設け、今回議員が求めた資料などを示してほしい」と求めた。政府側は調整を進める方針。
 大熊町幹部や町議向けの説明会を非公開で開き、全議員十二人と町職員約四十人が臨んだ。出席した議員によると、タンク保管の見通しや海洋放出の際のトリチウム濃度に関する質問が出た。賛否について言及はなく、意見集約もしなかった。
 終了後、吉田淳町長は「政府主催で十三日に開かれる処理水に関する会合の場で意見を述べる」として明言を避けた。吉岡健太郎議長は「処理水への理解を深める機会になった。国が処分の方針を示していないうちに議会として発言はできない」と語った。

■反対や万全の対策求める声

 これまでの処理水に関する政府の市町村議会への説明に対する主な反応は【表】の通り。放出に反対する意見、漁業や農業に影響が出ないよう万全の対策を求める意見などが出ている。
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