[2020_05_19_01]福島第1原発の処理水放出、周辺38漁協が反対 環境NGOアンケート(毎日新聞2020年5月19日)
 
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福島第1原発の処理水放出、周辺38漁協が反対 環境NGOアンケート

 東京電力福島第1原発でたまり続ける汚染処理水の海洋放出について、福島県と周辺5都県の38漁協が反対していることが、環境NGOが実施したアンケートで明らかになった。風評被害を懸念しているためだという。
 「国際環境NGO FoE Japan」(東京都)は4月15日〜5月1日、宮城や茨城など6都県沿岸の住所が把握できた134漁協にアンケートを送付。42漁協から回答を得た。
 政府の有識者小委員会が現実的な選択肢としている汚染処理水の海洋放出について賛否を尋ねると、賛成は1漁協、反対は38漁協、どちらでもないが3漁協だった。反対の理由として「風評被害の長期化が復興の妨げ」「安全だと言われても必ず風評被害が出る」などを挙げた。
 有識者小委がもう一つの選択肢として示した「大気放出」については賛成が2漁協、反対が33漁協、どちらでもないは5漁協だった。回答には、「(有識者小委の選択肢など)初めて聞いた」との記載もあり、漁協に関連情報が行き渡っていない側面も浮かんだ。
 東電は海洋放出の場合、放出量などによって福島第1原発から最大で沖合約2キロ、南に約20キロ、北に約10キロの範囲に広がると予測する。同NGOの満田夏花事務局長は「政府は関係団体の代表者だけでなく広く説明し、各漁協の声に耳を傾けてほしい」と話す。【荒木涼子】
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